9月の活動

ここ2~3週間ほどの活動について。

まずは先週から始まったお宅訪問活動。今のごみ回収スケジュールが少し変わるため、そのアナウンス(新スケジュールと分別表のシールを渡す)と3種類のごみ箱に分別もちゃんとしてね。っていうお願いがその趣旨。同僚とお手伝いに来てくれてる大学生2人も入れて計6人、それぞれ2人1組になって、3組に分かれて回ります。大きい街ではないとは言え、草むらをかき分けたり、砂利道を歩きながら家に入って、飛んでくるのは早いスペイン語だけで、吠える犬(狂犬病もこわい…)もたくさんで、家を1軒ずつ回るのはけっこう疲れた…というのが一番の感想です。

f:id:reikomiyahara:20170927002555j:plain

f:id:reikomiyahara:20170927003850j:plain

わたしはカウンターパートのオルランドと2人で街の一番北側から中心地にだんだん向かって下りてくるルート。中心地以外はまだまだ田舎と呼ばれる区域(と言っても中心地から車で10分ほど)で、家も暮らしぶりも中心地とは違います。説明は、①ごみ収集のスケジュールが変わるよ②3色の分別用ごみ箱持ってる?(持ってなかったら市役所で買えるから買ってね)③持ってない場合、今ごみはどうしてるの?④持ってる場合は分別ちゃんとよろしくね…と、少しずつ話が広がっていく流れです。ごみ収集車に乗ってると、家の前に出された所定のごみ箱を回収して回っているので、ごみ箱を持っている家庭がけっこう多いなぁと勝手に驚いていたけど、間違いでした。中心地から離れるほどまだまだごみ箱に捨てるという概念がうすく、生ごみは家の庭や裏の草むらに、その他のごみは庭で燃やすということをしている家庭が多かった。生ごみは最悪時間が経てば土に還りますが、それでも土に還るまでは虫が湧いたり犬が荒らしたりして、生活環境的に良くなかったり、その他のプラスチックなどのごみを燃やすのはもっと環境にも健康にも良くないです。その他のごみも家の周りにそのまま捨てられてることも多い(たぶん捨ててるという意識ではなく、不要なものだからその辺にポイッてする感覚なのかなぁ)。生ごみを庭に捨てる家庭にはコンポストという堆肥化システムの家庭向けのものがあるので、その導入の検討(無料)をお願いして、その他のごみ(ここではリサイクルの可否によって2種類に分けられている)はそれぞれごみ箱を買って、燃やさずにごみ箱で収集に出してねというお願いをします。説明をすると、そもそもここまでごみ収集車が来てないんだけどなんで?とか、来るとしてもすごい遅いからもっと早く来てほしいわ、とか、ごみ箱買わなきゃいけないの?そんなお金ない、または買いたくない。燃やすことの何が悪いの?などなどいろいろ言っていた様子。やはりごみ収集車が来ないとか時間が違うとか、このあたりの意見は収集車に乗りながら感じていた部分だったので、そうだよなぁってかんじ。日本みたいな収集場は無く、それぞれ家の前に点々と出されるごみ箱を一つ一つ回収して回るので、見落とさないようにするのは回収する側にとっても大変。収集車の運転手さんは3人いて、曜日によって交代制。それぞれ1人の中では決まった個人的なルートがあるようですが、3人の回り方を1つのルートとして揃えることはしていない様子だし、大きな収集車で、細い脇道にごみ箱が置いてあっても見過ごして通り過ぎちゃうことだってあるんだろうなぁ…と感じてました。このルートに関しては少し何かできないかなぁとは思っているものの、今はまだ様子を見ます。あとは、ごみ箱を買ってほしいというお願いはお金が絡むのでみんなシビア。明らかに嫌な顔する人、そんなお金ないと怒る人もいました(たしかに住民からしたら1個19ドルのごみ箱は高いんじゃないかなぁと思う、他の市では無料で配布している所もあるらしく、オルランドに無料で配布できないの?って聞いたら、無理無理って流された。この辺は市の財政力の話だし、ボランティアが一人でどうにかできる問題ではないのでいま私が悩んでも仕方ありません)。あとは今まで燃やしてるんだからそれでいいでしょっていうかんじで聞かない人とか。もちろん中には、買わなきゃいけないなら、今度市役所に行くねと言ってくれる人もいます。たいていはけっこう積極的に聞いてくれるし、少し怒っている雰囲気を出してた人も、最後はここの挨拶である握手と「またね」っていう言葉と笑顔でお別れするのでやはり人当たりのすてきな街です。何回かに1回はオルランドから「次説明よろしく」と振られるので、タジタジになりながらも、メモした台本片手に読みながら説明。そのあと色々突っ込まれたり、少し不機嫌な人とかに当たって、何言ってるのこの人みたいな目で見られて聞いてない様子だと私もキャパオーバーなので、オルランドにバトンタッチ。その1回でどっと疲れがでます。中心部に近づくほど、みんなごみ箱持ってたり、あそこの道がいつも汚いんだとか、ごみに対する意識が少しずつ高まっていくのを感じました。昼間に回るから仕事で不在の家も多く、そういう家には分別表の紙をパラっと門の中に落とすだけ。そもそもこのままどっか飛んでいったらごみになるじゃん(オルランドは全然気にしてない)って思ったり。回り漏れてる家もけっこうありそうだし、明らかに説明しきれてない感が否めない部分もあるけど、でもいろいろな人の生活環境が見れて、この土地のことをさらに知る機会としては、私にとってすごく貴重な経験でした。

f:id:reikomiyahara:20170927004411j:plain

f:id:reikomiyahara:20170927004140j:plain

市役所に戻って、なんとなく撮った写真を眺めてたら、今回それぞれのごみの収集曜日も変わるのですが、いまのごみ収集車に大きくこれまでの回収曜日も書かれていることに気づく。慌てて、オルランドに、収集車の曜日を新しく修正しなくていいの?って聞いたら、「あ!修正しなきゃね」ってなって、シールを注文しようって言ってたけど、10月1日までに届くのかは謎。届くといいなぁ。
他には、これだけ分別がんばろうって言ってるにも関わらず、市民がたくさん訪れる市役所内の分別が一切なかったので、市役所内に分別BOX置くのはどう?って聞いたら、市長に申請しよう!ってオルランドが言ってくれたので、その申請書を作成してみたり…みんなと挨拶、部署で雑談したり…となりの部署のカルロスに日本語教えたり…とかしながら、日々過ごしています。
 

エクアドルのごはん

毎日任地で食べているごはんのこと。エクアドルの食習慣は、朝と夜は軽め、お昼はしっかりというかんじ。朝は果物(パパイヤがとてもおいしい)とパン(チーズ挟んだりする、このチーズもオリエンテ地域独自のものがあり、おいしい)とかシリアルとか、イモや甘くないバナナを炒めたようなものなどを日々ローテーションします。飲み物はコーヒーor100%のフルーツジュース(各家庭でしぼって作るのが一般的)、前回紹介したチョコラテとか。

f:id:reikomiyahara:20170927001529j:plain

お昼は、初めにスープ、スープはじゃがいもや豆など具だくさん。その次におかずとお米、そのほか豆や野菜や揚げバナナなどを添えて一つのプレートにしたメインプレート、100%のフルーツジュース。おかずはお肉(一番は鶏肉、鶏肉めちゃくちゃ食べる。次に牛肉。たま~にお魚、お魚は揚げる)写真にもあるように必ずスープにはアボカドを一緒に食べている。私はたまにだけ。

f:id:reikomiyahara:20170927011214j:plain

f:id:reikomiyahara:20170927001235j:plain

f:id:reikomiyahara:20170927001422j:plainf:id:reikomiyahara:20170927001011j:plain

このチャーハンのようなごはんは、エクアドルでお誕生日のときに食べる伝統的なごはんらしいです。みんなはこれにケチャップかけてよく食べてるけど十分塩味があるので私はそのまま食べます。

f:id:reikomiyahara:20170927062242j:plain

f:id:reikomiyahara:20170927062221j:plain

夜はお昼ご飯の残りなどを使って簡単に済ませます。ステイ先の家族は私が日本人3人目だからなのもあり、エクアドル人ほど量も食べないし、こっちの甘いものを好まないことを知ってくれています。私は好き嫌いはないので、少し塩辛いかなと感じることもあるけど、だいたいおいしく食べています。ジュースやお菓子で甘いものは遠慮するときもあるけど。

そして塩分糖分油分の摂取量は全体的に多いと思います。主食はお米ですが、タイ米のようなパラパラしたお米で、炊き方も塩(家庭によっては油やパクチー)を入れて炊いています。そのため、すでにお米に塩気がある。おかずも日本食に比べたらもちろん塩気が強いです。だから甘いものが欲しくなるのか、デザートやコーヒー、紅茶、ジュース、ヨーグルト、アイスなどの糖分使用量も圧倒的に日本より多い。たぶんこれは日本以外の外国どこにも言えることかもしれません。他の国の同期隊員の話を聞いても砂糖摂取量については半端ないらしい。「砂糖無し!」というのをスペイン語で「sin azúcar」(=シン アスーカルと言う)と言いますが、エクアドルに来てから、何度声を大にして「シン アスーカル」を連呼したことか。そもそも砂糖無しを置いているお店も少ないので、今のステイ先で「砂糖なしのほうが好きでしょ」って甘すぎないフレッシュジュースや無糖のコーヒーが出てきたときは心から感動しました。先輩隊員が日本人の好みを植え付けてくれたおかげです。甘いお菓子やデザートは食べきれない、というか二口目から食べられない。任地でPanela(パネラ)というこちらの砂糖菓子を作っている工場を見に行ったときに、少し試食させてもらったけど、めちゃくちゃ甘かった。cañaという日本でいうさとうきびから作られたものなので、自然の甘味とはいえ、最初の一口以外は辛かったな。一緒にいたカウンターパートはパクパク食べてて驚愕。写真の1本1本がcaña。それをドロドロとしたジュースのような感じで煮詰めて、ブロックごとに固める。

f:id:reikomiyahara:20170927005800j:plain

f:id:reikomiyahara:20170927005515j:plain

f:id:reikomiyahara:20170927005252j:plain

あとは食べる量の多さの割には野菜も少なめ。語学学校滞在中、クエンカでの1ヵ月のステイ先では野菜はほぼ食べなかった。そこでは自炊の交渉もしていなかったので、自分で果物食べたり、少ない外食(2~3ドルでしっかりとしたお昼ご飯が食べられる)で野菜が食べられるお店をみんなで探したりして、少し大変でした。でも今のステイ先は一般的なエクアドルの家庭より野菜を好む傾向なのもあるとは思うけど、野菜も出してくれるので、ありがたいです。

主食であるお米の他にはイモ類やバナナ類もたくさん食べます。日本にはないイモや緑のバナナ(甘くない)もあります。お米を食べつつ、イモ類やバナナ類が添えられてきたときはお米の量をできるだけ少なめに調節してます。ちなみにイモ類の中ではyucaという白いイモが私はお気に入りです。

f:id:reikomiyahara:20170927062259j:plain

食感はさつまいものような感じで、ほぼ味はないのですが、よく味わうとほんのり甘いっていうかんじでここでは少ないやさしい味がする食材です。これは茹でたり、揚げたりして付け合わせだったり、スープに入れたりして食べます。食物繊維が豊富なのか、お腹の調子も良くなります。日本にないエクアドルの食材で何が好きか聞かれると、だいたいこのyucaが好きって答えています。

あとエクアドル料理に欠かせないのはなんといってもこの「salsa de ají」。

f:id:reikomiyahara:20170927000943j:plain

salsaはソース、ajíは唐辛子という意味。にんにくと唐辛子、赤パプリカをペースト状にして、紫たまねぎ、レモン汁と水、香草を混ぜて各家庭で作ります。スープにも、その他のおかずやごはんにもお好みで添えて食べる。はじめは慣れなかったけど、スッキリとした味になってさっぱり食べられるので、今ではこのソース好きです。

あとは「cui」。テンジクネズミ。塩味で焼いて食べます。

f:id:reikomiyahara:20170927001452j:plain

どちらかというとパーティー料理のようなかんじで、日々のごはんでは食べません。写真は語学学校で先生が作ってきてくれたときの。私は嫌いではないけど、少し独特の臭みがあるので、たぶん苦手な人も多い。ステイ先の家族でも好んで食べない人もいる位ですが、エクアドルの伝統的な食べ物でアンデスインディヘナ料理のひとつのようです。シエラの山沿いの地域だと道路脇のお店で丸焼きにしたのが売っていて、クエンカではよく見ました。モテと言われるエクアドルのとうもろこしを添えて食べます。

f:id:reikomiyahara:20170927011149j:plain先週、ステイ先ではじめてからあげとポテトサラダを作りました。任地には片栗粉がないので上で紹介したyucaの粉から作られた片栗粉風のもので代用してみたら、それっぽくなって、久しぶりに日本の味を少し感じられた。

ここ数日はあまり天気が良くなくて、熱帯気候のここでも少し涼しい日が続いています。

カカオと畑

任地ヤンササはエクアドルの中では標高が低く、あたたかい地域です。エクアドルは全部で4つの気候地域に分けられます。①コスタ(海沿い、1年を通してすごく暑い、日差しも強い)②シエラ(アンデス山脈沿いの地域で、寒い、朝晩はさらに冷え込む)③オリエンテ(アマゾン気候であたたかい、晴れると日差しが強い、熱帯地域で雨も多い)④ガラパゴス世界遺産ガラパゴス諸島)の4つです。

f:id:reikomiyahara:20170925030735g:plain

ヤンササ市は③のオリエンテ地域(地図の緑色の下の細くなっているあたり)ですが、その気候で栽培される果物のひとつ、カカオについて紹介。カカオは中央アメリカから南アメリカの熱帯地域を原産とします。それぞれの家の庭でカカオを作っている(育てている?)ことが多いです。ステイ先のお母さんは畑仕事が大好きなようで、家から車で10分ほどのところ(すでにこのあたりは中心地ではなく、あたり一面緑が生い茂る場所)に日本でいう家庭菜園を持っています。もちろん家の敷地内に庭を持っている家庭も多いです。そこでイモ類や、果物、唐辛子を作りつつ、鶏も飼っている。家で出た生ごみは、鶏のえさ(穀類)と混ぜ合わせて鶏たちに食べさせています。鶏たちが産んでくれた卵もいただきます。

 

 

f:id:reikomiyahara:20170925030945j:plain

f:id:reikomiyahara:20170925031008j:plain

maíz(とうもろこし)

f:id:reikomiyahara:20170925031726j:plain

f:id:reikomiyahara:20170925032413j:plain

お花もきれい

f:id:reikomiyahara:20170925032724j:plain

f:id:reikomiyahara:20170925033521j:plain

カカオは2種類あって熟すと赤色と黄色の実ができます(赤の方がよりおいしいらしい)。

f:id:reikomiyahara:20170925033442j:plain

f:id:reikomiyahara:20170925033349j:plain

f:id:reikomiyahara:20170925031850j:plain

割るとこんなかんじ。白い部分ひとつひとつが実です。ドロドロしている。

f:id:reikomiyahara:20170925034837j:plain

この実はこのまま食べる(種以外を吸う)こともできる。味は甘さの中に少しすっぱいかんじがある柑橘風味。この種の部分を乾燥させて、炒る。炒った後で一粒一粒皮をむきます。この時点で香ばしい良い香りがします。種自体に少し油分を含んでいるかんじ。ちなみに皮むき作業は手が真っ黒になります。

f:id:reikomiyahara:20170925033618j:plain

 

f:id:reikomiyahara:20170925033806j:plain

少し虫みたいですが、一粒一粒カカオの種です。

皮をむいた種は濾器で濾していきます。濾すと、油分も合わさって、ドロドロとしたペーストに。家族総出で濾す。

f:id:reikomiyahara:20170925033824j:plain

ペースト状のものを水、ミルクで溶いて、好みで砂糖を少し入れて完成。砂糖無でも十分おいしいです。この日は夕方からみんなで作業し始めて、できあがったのは夜ごはんのあと。飲み物なんだけど、すごくジューシーで、濃い。とってもおいしかった。前の先輩隊員2人も大好きだったって家族が言ってました。飲んで納得です。

f:id:reikomiyahara:20170925033846j:plain

 そのうち自分でも作れるようになれたらいいなぁ。

とまぁ、先週は初めての自然のカカオのチョコラテに感動しました。

こちらではここ2週間ほど、メキシコでの地震や中米を襲っていたハリケーンが毎日のトップニュースで自然災害の多さを感じます。ドミニカ共和国に赴任している同期隊員も一番ひどい数日間はみんな首都に避難していたらしい。もちろん最近の日本の周りも私が出発したときよりこわいことになっていて、日本のニュースを見るたびにヒヤヒヤ、ひどくならないことを祈っています。

 

名前

エクアドル(スペイン、南米などのスペイン語圏)では1人につき、名前をたくさん持っています。

1人4~5個は持ってる。4つというのは4種類ということではなく、パーツです。日本でいう苗字の部分が2~3個、名前の部分が2個というかんじ。全部まとめてその人の1つの名前です。

名前を教えて、ここに書いてってお願いすると、「◎◎◎ 〇〇〇 ▲▲▲ △△△…」みたいになる。前の2つがファーストネームなのですが、どちらを呼ぶべきかは不明で、おそらくどちらでも大丈夫。うしろ2つはファミリーネームで父方母方どちらの苗字も持つみたい。しかも同じ苗字もたくさん、名前も同じような人が多い。名前だけでは判断できないので、そのあとに苗字とかどこの家でお父さんやお母さんが誰々とか親戚がどこどこって聞き合って、「あそこの娘さんね~」みたいな話をよくしてる。

課内の同僚と家族の名前の呼び名は覚えたけど、それ以外はほんとに少しずつ。しかも予想はしていたけど、私にはやっぱり覚えにくくて、発音やアクセントも難しい。

同僚に私の名前短くない?みたいなこと言われて、日本は苗字と名前1つずつしか持たないんだよって言うとびっくりしていました。名簿から自分の名前を探すとき苗字と名前1つずつだけの短い名前でどうやって探すんだって言ってたけど、私からしたら苗字だけじゃなくて名前も同じ人が多すぎるよってかんじです。エクアドル人からしたら日本の名前が短く感じるらしい。

 少し話は変わって、この前、市役所内の安全管理の一環なのか、所内で働く(働いていた)人たちの個人情報の更新手続きのような期間がありました。所定の個人情報の用紙に必要項目を記入してそれぞれ提出します。その所定の用紙というのが、基本的な個人情報の他、人種(白人、インディオ、混血、アフリカ系など)、学歴、家族構成、緊急連絡先、預金口座、証明写真、障がいの有無(親族内も含め)などなど、日本だったらここまで書いたら逆に問題になるんじゃ…というかんじのまさに個人情報の塊のような紙です。日本みたいに持ち帰って1回で書いてくるなんてことはなくて、出勤のときに書いて、出して、でも項目が不足してて、また次の日に書き足して、でも口座番号とか奥さんの電話番号とか今わからない、証明写真も印刷できないよとか、いろいろゴタゴタしつつ、みんな1週間くらいかけてちょっとめんどくさがりながらそれぞれ完成させていました。個人的にはその様子は見ていてなんだか微笑ましかったです。ちなみにその書類を普通に机の上に置きっぱなしにして行くから、みんなの個人情報が誰でも見放題な状況。逆にこっちがヒヤヒヤしたけど、これも習慣の違い、特に気にしている人もいませんでした。部署内でも他の個人情報の名簿などは誰でも見れるようなかんじで乱雑に置いてあって、そのあたりはゆる~いかんじのようです。あ、でも、ちなみにその用紙、性別欄の下にはちゃんとジェンダーとしての性別欄が記載されていたのは、なるほど~と勉強になった部分。

最近感じているのは、みんな話すときに、肌の色の話とか障がいの話とか、かなりオープンに話します。差別とか差別用語という概念がそもそも無いのかなと感じるくらい。その人の特性というかんじで明るく話してくるその雰囲気にここの人のいろいろ気にしない陽気さを感じます。

 活動の方は、10月1日からごみ収集の新しいスケジュールが始まるので、各家庭の分別状況の把握と啓発も兼ねて、同僚と家を回る活動がうちの部署で始まりました。(私はまだまだついて回って、聞いているだけ。時々次喋って!って振られるのでそのときはゆっくり話す。)この話はまた次の機会に。

f:id:reikomiyahara:20170918023524j:plain

f:id:reikomiyahara:20170918023551j:plain

写真は全然関係ないけどある日の夕暮れと、この前家の前で起きた交通事故の様子。ステイ先の家族とやじうましました。f:id:reikomiyahara:20170918023617j:plain



ヤンササ市のごみ事情

まだまだ活動はこれからですが、一応これまでに把握したことについて。

まずごみ収集は週5~6日行っています。形式上は、3つの分別回収があります。黒(再利用不可)・青(再利用可)・緑(生ごみ)のごみ箱を各家庭が購入(1つ約19ドル。これを3つ買うので、けっこう高いなという印象ですが、多くの家庭が持っている、でもふつうのビニール袋で出す家庭もあり、本来ビニール袋は禁止、南米は犬がとっても多くて、そこかしこにいます。その犬がビニール袋をひきちぎってしまっていろんな面で危険だし汚くなるから)、決められたそれぞれの回収日にそのごみ箱を家の前に置き、市役所のごみ収集車が各家庭を回収してまわります。

f:id:reikomiyahara:20170910174635j:plain

写真はヤンササ市のごみ収集車。

各家庭のごみ収集は14:00~。なぜ14:00~なのかと聞いたら、子供たちが学校から帰って来ているからと。これだけでは「?」ってかんじですが、エクアドルの学校はお昼で終わりになり、午後は子供が家に帰ります。そのため、子供たちがお手伝いでみんなごみ箱を家の前に出すみたいなこと言ってて、どういうことかイメージできなかったけど、はじめてごみ収集車に同乗させてもらったときに、車から流れる音楽を聞きつけて家から子供たちが次々とごみを出してくる様子を見て「こういうことか~」と思いました。

f:id:reikomiyahara:20170910210017j:plain

ちなみに流す音楽は、廃棄物管理課完全オリジナルで、歌詞に「ヤンササ」とか、「緑黒青のゴミ箱がなんちゃら~♪」って入っているラテンのノリの音楽。

日によって午前中は教会やコミュニティ、バスターミナル、市場、学校などといった人が集まる場所の大きなごみ箱も回収してまわります。ここのごみ箱は1つの大きなコンテナなので分別はなし。各家庭の分別もあるようでないようなものだと思われます。

f:id:reikomiyahara:20170910175001j:plainごみ収集車の中の人の役割は2つ。1人は収集車の運転手、他の2人はごみを回収する人の計3人。前にも書きましたが、このごみ回収の仕事は体力勝負で大変です。ゴミはむき出しなのでガラスの破片とか危ないしね。回るルートは決まってないようで、決まっているみたい。まだ地理感覚がうすいのでこのルートの把握には時間がかかりそう。かといって今スペイン語で説明されてもわからなそうなので、暇を見つけてはごみ収集車に乗せてもらいつつ、解読できればと思っています。

 

 

f:id:reikomiyahara:20170910175704j:plain

f:id:reikomiyahara:20170910195623j:plain

f:id:reikomiyahara:20170910195851j:plain


ごみ収集が終わると(終わる前に収集車のごみが一杯になると)最終処分場に行ってごみをおろします。緑と黒のごみは埋め立て地へ、青のリサイクルゴミはもう一度再分別して売れるごみとその他とに分けます。本来緑の生ごみはコンポストという堆肥化システムにいくのですが、今機材が揃っていないので再始動待ちの状態で、現在は埋め立てています。

 

f:id:reikomiyahara:20170910200440j:plain

f:id:reikomiyahara:20170910202202j:plain

ごみ箱は1つ19ドルと書きましたが、このごみ箱を購入したいときはみんな廃棄物管理課を訪れます。分別導入が2008年~と言っていたから、その当時はみんな一斉に買ったと思われますが、今はちらほら、買い替えの人や引っ越してきた人、今になってやっと買う人なのかな。購入希望者がくると名前と住所を聞いて、伝票作成。その伝票を基に会計課に行き、お金を支払うとうちの課に戻ってくる。その間にうちの課はごみ箱を倉庫から出しておいて準備。ごみ箱には名前のイニシャルと、住所のブロックNOを刻印して支払済の伝票を見せてもらってごみ箱の引渡し完了。以前ごみ収集担当の同僚がお願いされてごみ箱を倉庫に取りに行っていたから、私も見よう見真似でごみ箱取ってくるよって言ったら快く依頼してくれたので、この前初めてのごみ箱準備を担当しました。そのあと刻印もさせてもらった。私の記念すべき初刻印のごみ箱がヤンササ市民の人の手に渡りました。一見協力隊としての要請内容には直結しませんが、ここでの仕事内容を一つずつ知って覚えて、手伝えるようになることも私の大切な任務です。

f:id:reikomiyahara:20170910200224j:plain

 

音楽・踊り・距離感

ここエクアドルは、さすがラテンアメリカの国なだけあって、仕事中音楽をかけることができます。できるというより勝手にみんなかけ始める。他の部署からも聴こえてきたり。首都に滞在していたときに銀行開設手続きで、ピチンチャ銀行というエクアドルの銀行を訪れました。そのときも、本店のようなビルの上の方のオフィス感漂うきちんとしたかっこいい部屋でそれぞれ手続きをしましたが、一人一人の窓口でもかなりイケイケの音楽が流れていたり、日本みたいな「お客様対応」を気にした行動も一切ないです。文化の違いだから、全然感じ悪くはないし、逆になんだか面白かった。同僚や家族に日本では職場で音楽をかけることはできないなぁって言うと「なんで?」って言われて、それが当たり前だと思って過ごしていたので、そういえば理由って考えたことなくて回答に困りました。「音楽かければリラックスできるでしょ」ってみんな言います。ここでは自分の好きな音楽をかけてリラックスしながら仕事することも大切みたいです。あとはダンスの話もとても多い。日本には踊る文化(日本舞踊とか除いて)はあまり無い、ディスコも少ないよって言うと驚かれます。私に踊りの話を振ってくれるときのみんなのテンションがハンパない。で、わたしが良い反応をすると喜んでくれる。ここでは踊りの話もとても大切みたい。ごみ収集車に乗ってても、「音楽かけるぞ、音楽好きか?」って聞かれて、「好き好き!」って答えると喜んでくれるし、音楽が流れた途端にみんなノリ始める。

f:id:reikomiyahara:20170908121350j:plain

ちなみに彼はコロンビア人で奥さんがエクアドル人です。市役所の文化振興課的な部署の音楽の先生で、文化施設を訪問したときに知り合い、そこから音楽祭に参加させてもらったりしました。この日はたまたま市役所に来ていて、同僚が呼び止めるとうちの部署に来て1曲熱唱。(勤務時間中)

そして先週の木金土と任地ではお祭りがあり、木曜と土曜の夜に家族と一緒に参加してきました。基本野外フェスみたいなかんじで、所々いくつかメインのイベントがあります。そのうちの一つ、ミスコンinヤンササver.(同じ県の中でそれぞれの市の代表が登場する)を見ることができました。伝統的な衣装ももちろん、代表の人たちは皆とってもきらびやかできれいだった。会場を歩いていると、何人か市役所の人に遭遇。やはりこじんまりとした街なので、たくさんの人と知り合ったら街中で会える確率が増えそうです。で、こういう場所ではだいたい隣り合った人たちとビールを分け合って飲むらしい。分け合うというより、いきなりとなりの知らない人から「飲んで!」ってカップを渡される。で、何回かそのやり取りをしたあとに、今度はもらった側が新しいビールを買ってきて、注いで渡すという流れ。「もらったら返す」ということなのかな。でもビールを飲み合っただけで、初対面だけど最後はハグまでしてお別れします。これがここの距離感です。ビールを渡したときもとっても感じが良い人たちでした。

f:id:reikomiyahara:20170908120331j:plain

f:id:reikomiyahara:20170908120523j:plain

お祭り後、ごみはたくさん落ちていました。というか、感覚的には置いていくのが普通。

f:id:reikomiyahara:20170908121043j:plain

距離感といえば挨拶についても。南米全体、もしくは他の多くの欧米文化の国も?かもしれないけど、任地に来てからは、会ったら必ず「握手」をしています。家族や身近に感じている人に対してはハグ。でもまぁ基本握手が多い。流れは、会う→「おはよう、こんにちは、調子はどう?」などの挨拶をしながら握手→雑談したり、必要な用事について話す→話が終わったら最後にもう1回握手して「さよなら、またね」ってかんじです。1回の挨拶で始まりと終わりに2回も握手します。しかも会うたびに。日本では、挨拶という形では1日1回だし、そのあと会うたびに同じく挨拶するということはなかったので、最初は毎回「握手」って多くない?って思ったけど、ここへ来てみんなとやってたら、慣れました。

しかもかなり広範囲(だと私は思う)で挨拶します。同じ廃棄物管理課の中でも3人の同僚だけではなく、ごみ収集をしている仲間たちも、他の部署の人も、すれ違ったら、してくれるし、同僚に付き添っていて、わたしにとってはまったくの初対面の人でもしてくれます。だから自然とこの挨拶が日課になりました。ちなみに手が汚れているときは腕を差し出してくれます。

JICAエクアドル事務所のボランティア調整員の方から、「まずはエクアドル人の距離感を掴んでいってください」と言われたことがなんとなくずっと頭の中にあって、国によって距離感ってどこがどう違うんだろうって思っていたけど、任地に来てから日常のあらゆる場面に感じる機会があって新しい発見がいっぱいです。

もうすぐ1ヵ月

任地に到着した8月10日から、そろそろ1ヵ月が経ちます。今日は任地に来て、一番笑った日でした。なんだかそれがすごくうれしくて、記録しておこうかなと思います。

今の私の目標は「知り合いを増やすこと」。要請内容に関する活動内容の話を相手に伝えていくのはまだまだこれから先。いまその話を伝えたところで相手は聞きたくないだろうし、いまの最優先事項は私の存在を1人でも多くの人に知ってもらって、みんなと世間話ができて、みんなからたくさんのことを教えてもらえる関係性を築くこと。そしてこれは2年後、帰るその日まで私が一番大切にしたいと思っていることです。でも正直ここ何日か、これでいいのかなって思うこともあって早くもちょっと悩んでいました。1個でも多く環境問題に関する問題点をたくさん挙げて、1日でも早く相手に伝えることが協力隊として優先なんだろうか?って思う日々が続いていました・・・

 いったん今日の話に戻します。うちの部署には1カ月ごとのタイムカードがあります。ちょうど先週の金曜日が月初で、事務担当のアポロがお休みだったから、アポロに代わって9月分のみんなのタイムカードを作りました。みんなの名前も覚えられるし、けっこうみんな日本語で自分の名前をどう書くか聞いてきてくれるしってことで、名前欄の余白にそれぞれの名前をひらがなで書いて、日本から持ってきたイラストを切って貼っておきました。朝行くと、何人かそれを見て笑いながら話していて、「俺の名前は日本語でこう書くのか~」みたいなリアクション取ってくれているのを見て、なんかうれしかったです。イラストにも反応してくれていました。ちなみにこの人は先週、ごみ収集車に同乗したときの運転手さん。たまに課内で声をあげて主張していてちょっと荒々しい人ですが(でも次の瞬間ふつうに笑顔で挨拶している)、同乗しながら家族のこととかいろいろ話してくれた人です。

f:id:reikomiyahara:20170905151144j:plain

 

午前中は同僚に同行して最終処分場へ。最終処分場は市役所から車で15分くらいのところにあります。ここにも終日働いている人たちが数人いて、1回会ったことある人もいるし、今日初めて話す人も。最後の方、同僚が別のこと(あまり仕事に関係ないプライベートなこと笑)をしていたので、ここで働く人たちのほうへ行って、挨拶したら、幸い、向こうも日本人と話す気満々で、いろいろ話してきてくれたので、日本のこと、ここヤンササのこと、みんなのこと、私のことを質問し合い、話しました。最終処分場にいると午前中の収集をし終えたトラックがやってきて、少し遠いのに、トラックの中から私に手を振ってくれます。「あ、私のこと認識してくれてるんだ~」って、うれしくなりました。

午後は課内に居て、ごみ収集の時間になるまでは収集担当の同僚たち、彼らが出かけていってからは他の同僚と、話していました。もちろん環境の話!なんて今の私にはできないので、主にスペイン語と日本語の話とか、私のことを中国人だと思って「チナ!ニーハオ!」って街で呼びかけられたときの良い返し方とか、おもしろスペイン語講座とか、私の下手なスペイン語の発音を直す時間とか。意味がわからなくても、なんかみんなが楽しそうに笑ってるのを見て、これでいいのかなって思ったら、その瞬間が私もたのしくて、沢山笑いました。ちなみに今日ウケたのは日本人にはセミとにわとりの鳴き声がこう聞こえてるよって話をしたとき。家に帰って夕食たべながら、家族に「今日職場で習ったスペイン語なんだけど、、、」って、話をしたらすごく笑ってくれました。職場でも家でも、今日は自分が言ったことに相手が笑ってくれるのがこんなにたのしいことなんだっていうことを思い出しました。でもその時間もごみ収集担当の人たちは汗をかきながら街のごみ収集をしてくれているので、彼らのことも忘れてはいけません。ごみ収集はトラックを運転する人と各家庭の前に出されたごみを回収していく人の2人で1台3人体制。うしろ2人は車のうしろにずっと捕まり、時には走りながら回収、回収し終えると走るトラックに飛び乗る、回収し始めたら終わるまでは8時間、タイミングを見て水分補給しかできない体力勝負の仕事です。一緒にトラックに捕まって回収することはさすがにできないけど、私ができることはもっと彼らのこととその仕事内容を知って、私が知りたいと思っていることを伝えて、お互いいろんな話を沢山することです。正確には立場は違うし、働く期間も違うけど、私はみんなのことを同僚だと思っているし、みんなにも私がそう思っていることが伝わればいいなぁと思っています。

f:id:reikomiyahara:20170905151908j:plain

f:id:reikomiyahara:20170905152220j:plain

f:id:reikomiyahara:20170905152633j:plain

f:id:reikomiyahara:20170905154515j:plain

カメラを向けると得意げに水分補給、彼は息子がいるお父さんです。

各家庭やお店の前に出されたごみ箱のごみを回収、そして走り出すトラックに飛び乗る。

f:id:reikomiyahara:20170905153526j:plain

f:id:reikomiyahara:20170905153217j:plainf:id:reikomiyahara:20170905154015j:plain

運転手さんはうしろ2人の様子をこのバックミラーで確認。

この日は街の中心にある市場の前からスタート。

f:id:reikomiyahara:20170905153002j:plain

夜ごはんを食べ終えて少しして、そろそろ来る頃かな~なんて思っていると、予想が当たり、うちの家の前の通りにもごみ収集車がやってきました。もちろん昼間に会った収集担当のみんなです。午後から出かけていって、夜9時まで回収しています。向こうも私がここに住んでいるのを知っているので、見ると、上を向いてくれていて、私がベランダに出て、「hora!(やぁ!みたいな挨拶)」って手を振ると「reiko~!!」って呼びかけてくれました。私でも少しずつこの土地に馴染んでいけるのかなって思えた瞬間で、すごくうれしかった。ちなみにそのあとは「ごはん食べた?お腹すいたよ~」って言ってた。そうだよね、この時間まで食べないでいるのは大変。環境は違うけど、ぶっ通しで働いてた大学時代のアルバイトを思い出しました。

今日は1日人とのつながりを感じることができて、たのしい瞬間がたくさんありました。この環境に感謝です。とりあえず今は私が大切にしたいと思っていることを大切にしてこのまま過ごしてみようと思います。また明日はなにかに落ち込むかもしれないけど、でも、マイペースにがんばります。今日はちょっと長くなりましたが、ここまで読んでくれた方がいたらありがとうございます。