祝日~死者の日

11月2日と3日、エクアドルは祝日です。2日がDía de los Difuntos(死者の日:死者を弔う日)、3日がIndependencia Cuenca(クエンカという街の独立記念日)という国民の祝日。土日がくっついているので、土日休みのお仕事の人は4連休。市役所も土日休みなので、4日間お休みですが、ごみ回収の仕事は通常運営。通常が土曜のみのお休みなので、そのまま考えると2日3日の祝日も回収はあります。祝日3日前くらいから、そういえば祝日は働かなくちゃいけないの?みたいな感じで回収が始まる前、みんな集まる時間に、笑いながら雑談の探り合いをしていました。私は探り合うの遅くない?と1人思いつつも、様子を伺っていました。回収車の運転手の1人Luisはもともと予定があるらしく、出勤できないと最初からカウンターパートに話していて、出勤は断固拒否というかんじだったので、カウンターパートは市役所所属の他の代行の運転手を探す。祝日に働くときは市役所からそれぞれみんなにレターを出すようで、2日前からそのレターを準備、回収担当者に渡していく。でも予定を入れてしまっている人が多く、前日に明日働いてねとレターを渡され、「いや、〇〇するから無理…笑」みたいなかんじで少し困惑ムード。もちろん言われたカウンターパートも困惑ムード。日本だったら、予定を入れる前に確認するし、管理者も前々からアナウンスするだろうけど、ここはエクアドル。言われて嫌々そのレターにサインをするか、どうしても出勤できない人は直談判で断る。そうなったらしょうがないので代行の回収担当者を探す…といった感じで祝日前は少しだけバタバタしていました。

祝日前日、お昼前から夕方にかけて街は断水。お昼ごはんを食べに帰ると水が出ませんでした。そんな中でもお昼ごはんを準備してくれているお母さんには感謝です。市役所のFacebookページで断水の案内が流れたらしく、それを見ながら、同僚は午後の職場で「やっぱり断水だ」「自分の家は出たよ」なんて話していました。水は出なくても、インターネットは使えるっていう光景は見ていてなんだか不思議な気分になりました。仕事は17:00までだけど、この日の午後はなんだかみんなお休みモード、そしてそのまま祝日に突入。前日の夜は隣町のお祭りに家族と。人がたくさん。

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祝日は一般的にはどんなことをして過ごすの?と家族に聞いたら、①コスタ地域の海沿いに遊びに行く、②家族と遠出orゆっくり過ごすというかんじらしいです。2日死者の日は日本でいうお盆みたいなかんじ。家族でお墓参りに行き、そこでミサを行ったりするようです。ちなみにこの死者の日にはmoradaという飲み物(いちごやぶどうその他たくさんの果物を煮詰めて作る飲み物、あたたかいままで飲む)と赤ちゃんの形をしたパンを食べるそうです。

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ステイ先でもmoradaを前日の朝からお母さんが作っていました。お砂糖も入れるので、少し甘めだけど、でもとてもおいしいです。午後はみんなでお墓に。ステイ先の家族の親や兄弟たちが眠るお墓は市内と他の街2か所、全部で3か所回りました。となり街にある州都Zamoraと、少しはずれのGuadalupeという街、それとYantzaza。

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Zamoraのお墓。屋台もたくさん出ていました。

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Guadalupeという街はステイ先のお父さんのパパや兄弟が住んでいたそうで親戚のお家もありました。お母さん方のお墓も。Yantzazaにはお母さんの姉妹のお墓。

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Guadalupeの墓地。夜にはろうそくの灯りでとってもきれい。たくさんの人が訪れていて、賑わっていました。

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エクアドルは兄弟がたくさんで、聞くと3、4人以上がほとんどだし6人7人兄弟もまったく珍しくありません。そんなこともあり、特に任地のような田舎町だと家族や親戚がみんな近くに住んでいるから、みんなが身近で、みんなにとっては当たり前のことなんだと思いますが、日本に比べると家族で過ごす時間がとっっっても多いです。素敵なことです。そんなかんじで昼間に家の前にごみ回収で回ってきた同僚にも挨拶しつつ、家族とお墓参りに行き、祝日1日目を過ごしました。

新しい収集日と新メンバー

最近の活動と職場の様子について。10月にごみ収集日とその時間帯が変わったという話を前に書きました。しかし、新しい回収頻度は全くうまくいっていなくて、変更してからまだ1ヵ月しか経っていないけど、回収担当者からも、市役所内の他の部署からも、市民からもけっこう不満の声が届いています。そもそもこの変更は市役所の予算の関係もあり、カウンターパートがほぼ一人で変えたものっぽい。ちなみにカウンターパートはうちの課の長なのですが、不満の声が届いてもなんか他人ごとというかんじで対応を他の同僚に任せてあまり動いていませんでした。そんなこともあり、うちの課の雰囲気はあまり良くなくて、構図はカウンターパート対他の同僚というかんじ。2人の常勤の同僚は、今の環境に不満があり、他の部署に異動するために市長に異動申請を出すんだってカウンターパートに隠れて自分の環境を変えることばかり考えていて、その愚痴を私に言うという日々がここ最近は続いてました。これまで過ごしてきて、1人1人の様子を観察していましたが、まぁたしかに他の同僚がカウンターパートに対して不満を抱くというのもわからなくはないというのが私の客観的な意見です。前置きすると、私はボランティアとして1人1人と良い関係を築きたいなぁと思っています。それは活動のためでもあるし、一番は私が楽しく過ごしたいからです。他の同僚が異動してしまったらそれはそれでさみしいです。とは思いつつも、だからといって愚痴を言われても、敵対する人間関係の間に入るつもりもないです。これは一応私なりに悩んでボランティア調整員に相談してみた結果と、前任者の報告書にボランティアは客観的に見ることが必要とされていると書いてあり、私は最近この言葉をいつも心にとめて、とりあえずみんなの様子を見ることにしました。それに人間関係のことなんて、日本でだってなかなか難しいのに、言葉がうまく話せない今、うまく双方の間に入るなんてまだできないのでしません。ボランティアはそういう立ち位置ではないと思います。でも、今の回収状況がうまくいってないのは私でも明らかにわかるし、カウンターパートももう少し実際に回収している担当者の意見を受け入れればいいのになぁ、予算面で受け入れられないなら意見を聞くという姿勢だけでも見せて真摯に対応したらいいのになぁと思いながらずっと見てました。回収頻度を変えた結果、日曜日の回収にそのしわ寄せが来ていると毎週月曜朝に、Luisという収集車の運転手である同僚が怒る!というルーティンができています。このLuisは回収頻度の見直しについて一番熱く主張(これまで主張していたけど最近はもうあきらめモードな様子も見受けられる)。彼は元々が不満があるとストレートに熱く強く伝える性格のようですが、収集車のうしろに捕まって走って回収するrecolectorの仕事がとっても大変だということもちゃんと理解してくれている人だし、まだ彼の言っていることすべてを細かく理解はできていませんが、荒々しく敵対心むき出しで話す中でもきっと正論を主張しているんだろうなとなんとなく感じていました。問題の日曜の収集車にまだ乗ったことがなかった私は、前々から日曜の様子も見ないとなぁと思っていたのと夜の回収も見たかったので、この前の日曜日にこっそりLuisとrecolectorにお願いして乗せてもらいました。14:00から始まって、終わったのは21:00。その間トイレと水分補給以外は休憩はなし。しかもこの日は大雨で全身びしょ濡れになりながらの回収。

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一瞬の隙を見て、雨の中水を飲みます。ほんとに大変な仕事です。初めて夜の回収を見たけど、収集車のうしろに夜間用のランプを付けてくれと私が着任してすぐのときにLuisが申請して、最近やっとカウンターパートが動いてランプがきました。でも、それも実用的なものではなく、夜運転しながらLuisは怒ってました。たしかにランプを点けてもうしろの回収状況はほぼ見えなかった。特に大通りから一本中に入るとさらに視界が悪い。回収担当者の手元だけを照らすので、運転手のLuisから担当者の動きを照らすものではなく、危険だし、効率も悪くなりそう。これだって、事前に一緒に夜間の収集を見て、Luisとどういうランプを買うか相談すればもう少し良い結果になったんだろうけど、たぶんそれはしてないんだろうなぁ。f:id:reikomiyahara:20171031145644j:plain

そんな中、1週間前からうちの課に新メンバーがやって来ました。彼はEdwin。彼の話を少し挟むと、26歳既婚者、2人の子どもがいます。上の子は7歳と言っていたから、ラテンアメリカ文化、結婚とは別で、とにかく出産や子どもを設けるのが早い。これまではとなりの市の中国が行う公共プロジェクトの会社で中国人と働いていたらしく、中国人の基本的な性質や、日本と中国が違う国だということを知ってくれていました。 彼はinspectorという立場で市役所に働きに来ています。奥さんも市役所勤務。inspectorというのは直訳すると「検査官」。うちの部署で、ごみの分別と市内のごみ回収に問題がないか、市民がちゃんとルールを守ってごみ処理を行っているかパトロールするみたいな立ち位置の人。これまで接した中では、仕事に対して真面目で、日本人の私から見て、行動が理解しやすくて、日本人の感覚に近いのか、彼の行動には共感できます。各家庭にはシールになっているごみの分別表を配っているのですが、それを壁に貼ったあと、剥がしたシールのごみを自分で市役所に持ち帰るところは一番共感できました。カウンターパートや他の同僚は、家の脇に置いてある人の家のごみ箱に断りなく勝手に捨てます。これはごみ箱に捨てているからいいと言ったらそれまでだし、ただの習慣の違いなのかもしれません。でも私は断りなく人の家のものに捨てたくはなかったので、これまでも一人持ち帰っていたけど、Edwinも持ち帰っているのを見て驚きました。今はカウンターパートや他の同僚はあまり家を1軒ずつ回って説明する活動は行っておらず、代わりにEdwinが行きます。なので行けるときは私も一緒に行かせてもらっていますが、彼の説明の仕方を聞くのも勉強になります。そして彼もまた、これまで1週間市内の様子を見て、回収頻度には見直す必要があると考えているようです。もちろんinspectorという立場で数日前から来た人と長年市役所に勤めているカウンターパート、そのカウンターパートとこれまで働いてきた人たちとでは立場も考えも積み重ねてきたものが違うと思うので、私がとやかく言える話でもないとは思っているから一概にどれがいいとかは判断しませんが、必要なのはまずは回収日を見直すこととrecolectorの働き方を少しでも改善すること。課内においてはそれが第一です。とは言え、納得させる言葉ですべてを説明するのはまだ難しいので、今すぐに私がどうこうできるものではないのですが、カウンターパートや他の同僚たちに、ごみ回収の実情を知る必要があってそのために収集車に乗るという私の考えを行動で示すことはできるのかなぁと、できるだけ今は収集車に乗ろうと思っています。この街のごみ収集方法に関しては、私の要請には全くなかったことで、たぶんカウンターパートもjicaボランティアには関係のない部分と思っています。だから初めはごみ収集車に乗るって言ったときに面白がられたり、今でも不思議がられているのかもしれないけど、収集車に乗ることとと、家々を回るのについていけば市民の声も聞けるので、要請外のこととは思わずに、継続してわたしも様子を見守っていこうと思います。あと、先週の金曜日には各家庭を初めて1人で回りました。細かいところまでの説明はまだ至らないところもあって、必要最低限の説明にとどまってますが、それでも大きな進歩だと自分に言い聞かせて私も自分で少しずつやっていきます。

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エクアドル

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 南米大陸にあるエクアドルという国にやってきて、もうすぐ4ヵ月。これまで任地のことは書きましたが、あまりこの国自体のことはそういえば書いていなかったなぁと思ったので、少し紹介します。まず国の名前、正式名称はエクアドル共和国エクアドルは「Ecuador=赤道」という意味。これはけっこう有名みたいですが、私は派遣が決まるまで知りませんでした。人口は1400万人ほど、面積は日本の4分の3ほどで、本州と九州を合わせた位らしい。

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上はコロンビア、下はペルーに挟まれた南米大陸の北西に位置する国です。

公用語スペイン語ですが、アンデス山脈沿いに広がる地域(シエラ)ではケチュア語という現地語がかなり使われていたり、地名にもたくさん残っていたり。実際、任地でも生活しているとケチュア語の単語がたま〜に出てきます。

国旗の中央には翼を広げたコンドルが盾を掴む構図になっている国章が描かれていて、その国章の中には南米最高峰のチンボラソ山、グアヤス川も。この国章を入れると世界の国旗の中でも最も色数が多い国旗と言われているそうです。これも私はエクアドルに来るまで知りませんでした。この前ごみ収集車に乗せてもらってたときにたまたま任地の中にある日本の大使館の援助で建設された橋を渡りました。そこに日本とエクアドルの国旗が描かれていて、同僚と国旗の話になりました。同僚は誇らしげに「エクアドルの国旗もとっても美しいだろ?」なんて言ってました。これが国旗の中央にある国章。

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通過は米ドル。以前はスクレという自国通貨でしたが、2000年から経済政策の一環で切り替わったそう。原油が輸出品の約5割を占め、他は農産品(バナナ、カカオ、コーヒー)やエビなどの水産品という一次産業品です。なので原油価格の下落にも左右され、最近は経済があまり良くなく、一次産業からの移行支援も入っています。経済の発展途中でもあるこの国の首都キトの郊外には日本の高度経済成長期のような団地式の建物も建っていて、なんとなく、人々の生活を見ていても、そんなかんじがします。でも私がいる任地の中の農村部のような所は昔ながらの生活だったり、山間部のインディヘナが住む地域では貧しかったり、まだまだ開発が遅れている地域もあります。ちなみにエクアドルに協力隊派遣が始まったのは私が生まれた1990年から。協力隊の派遣ヒストリーとしては他の国々、特に他のラテンアメリカ諸国に比べるとまだまだ浅い方らしいです。

歴史的にはすごく簡単にするとインカ帝国→スペインの植民地→ペルー領→現在のエクアドルという経緯のようで、ニュースの国際コーナーだとヨーロッパ側から世界を一周するようにニュースが始まるので、一番にスペインのことが流れたりもします。

現在の大統領はレニン・モレノ大統領。今年2017年5月に10年続いた前任者から交代しました。彼は強盗に遭ったときに負傷した後遺症で常に車いすが必要で、彼が当選したときは、「車いすの大統領誕生」と日本でも少し話題になっていました。

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これまでも自身で障がい者のための活動をしてきたそうです。モレノ大統領は私の周りでは支持率高そう。反対についこの間、副大統領が汚職疑惑で逮捕されるという事件も起きていて、これまでも政治の汚職は多い国の一つのようです。

人種は、インディヘナメスティーソインディヘナと白人の混血)が大多数ですが、アフリカ系のエクアドル人の人も思ったよりいます。人々はみな基本的に親切。エクアドルの中の「シエラ(アンデス山脈沿い、寒い、山)」「コスタ(太平洋沿い、暑い)」「オリエンテ(もしくはアマゾニコ、熱帯気候、暑くて雨も多い。私の任地が属する地方。)「ガラパゴス世界遺産の島)」の4つの気候区域によっても人々の感じは随分違うように感じます。あったかい所はより人々も陽気で、明るくて開放的だけど、寒い所は他の地域に比べ、少し表情や雰囲気が大人しいイメージ。任地では初対面でも友達だったかのようなテンションで話すので、そこはやはり外国風で、すれ違い様に知らない人にも挨拶します。たぶん今後はもっとエクアドル人の性質、性格について知っていって、いろいろ感じることも多くなると思うので、このあたりはまたその都度書きたいことがあったら書きます。

首都や大きな都市は都会ですが、それでもこの国はとっても自然が豊かです。有名なのは世界遺産ガラパゴス諸島だけど、それだけではなく、アンデス山脈の山々、太平洋沿いの海、アマゾン地域の緑や生態系など一つの国でここまでバリエーション豊かで、気候も様々で、来てみてとても驚きました。正直来るまでは赤道直下の暑いだけの国かと思っていました。気温も東西南北で同じ時期に日本の冬と夏ほど違うし、標高もまったく違うので、それぞれの土地の風土に合った文化もまったく異なります。

これから、任地だけに限らず、エクアドルという国自体の雰囲気や文化も伝えられるようにいろいろ見ていきたいです。

写真は2017年度1次隊同期として同じタイミングで訓練を受けて、この国にやってきた同期たち。10月あたまの3ヵ月オリエンテーションのときに撮影。コミュニティ開発1人・幼児教育1人・小学校教育3人・環境教育4人の計9人。今はみんなバラバラの任地に配属されてそれぞれがんばっています。

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下の写真は、この前上京した機内でお世話になった人とその家族。その後お昼ごはんに招待してもらいました。素敵な家族でした。¡Gracias!

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スペイン語

 

今日でエクアドルにやってきて、112日目。今回はこっちに来て初めて聞いた、スペイン語のおもしろいなぁと思ったことについて。
1
つ目は、相手に呼びかけるとき。これはいくつかパターンがありますが、例えば…

mi hijo」「mi hija」。「ミー イホ」「ミー イハ」と読みます。意味は「私の息子」「私の娘」。でもこれは自分の子どもだけに使うのではなく、自分よりも年下で、友達じゃないけど、知り合い以上、もしくは初対面の子どもたちに優しく呼びかけるためにも使ったりします。私も職場で他の部署の年上の女性職員や会ったことがある家族の友達とかに「mi hija!」と呼んでもらうことがあったり。活動で家を訪問したときに同僚は、お留守番している初対面の子どもにこう呼びかけたりしてます。日本語の文化に比べたらすごい近い距離に感じるけど、これもおもしろい距離感です。初対面でさえ、息子娘という言葉を使うくらいなので、自分の子どものときは「mi vida:ミー ビダ」=私の人生、「mi amor:ミー アモール」=私の愛、「mi corazón:ミー コラソン」=私の心(直訳)って言ったりしてる。もちろん自分の子どもに対してだけじゃなくて、夫婦間や恋人同士でも使うみたいで、やはりそこはラテンアメリカ、情熱的な表現。
2
つ目は、言葉の語尾を少し変えることで、相手に優しく愛らしい気持ちを込めて伝えたいときに使います。これは名詞、形容詞、人の名前にも使います。例えば
「今」という単語はスペイン語で「ahora」と書いて、「アオラ」と読みます。でも会話の中で出てくるのは「ahorita:アオリータ」という言葉。はじめは同じものを指す単語だとはわからないし、変化させる意味も不明だったけど、日本語だと、「今ね、」とか「あのね、今」みたいな口語的な意味合いがあるのかなぁと勝手に解釈して、私も日本語では同じようなことしてるんだろうなぁと思って、納得することにしました。あとは「名前」は「nombre」。「ノンブレ」と読みますが、「nombresito:ノンブレシート」って言ってたり。「署名、サイン」を「firma:フィルマ」と言いますが、「firmita:フィルミータ」と言ってる。これらも変化させることで「お名前」「ご署名」みたいに丁寧でかわいらしい印象を持たせることができると、同僚が使っている場面から解釈。形容詞だと「濡れる」を「mojado:モハード」と言いますが、これを可愛らしい感じにして伝えたいとき、雰囲気的には「雨で濡れちゃったよ〜」みたいに言いたいときに「mojadito:モハディート」と語尾を変えます。
人の名前だと、「Pablo:パブロ」のことを「Pablito:パブリート」って言ったり、「Manuel:マヌエル」のことを「Manuelito:マヌエリート」とか。ちなみに私は時々「Rekito:レキート」って呼ばれます。これは相手にあなたのことを親しく感じているよという優しい気持ちの表れでもある(と私は解釈している)ので、こう呼ばれるとけっこううれしいです。
あとは「お母さん」は「mamá:ママ」ですが、これを変化させると「mamí:マミー」もしくは「mamita:マミータ」。「お父さん」は「papá:パパ」ですが、「papí:パピー」もしくは「papito:パピート」と変化させます。
 3
つ目は、形容詞の語尾を変化させて、程度がすごいことを表現します。日本語だと「超」をつける感じに近いのかなぁ。
(値段が)高い」は「caro:カロ」。これを「超高い!」みたいに表現したいときは「carissimo:カリッシモ」。逆に「(値段が)安い」は「barato:バラット」ですが、これを「超安い!なんて安いの!」みたいな感じを出すときは「barattisimo:バラッティッシモ」と言います。教科書や辞書には載ってないので、聞き取れたときにその都度変化形も覚えるしか今のところは方法がありません。
こんな感じで、まだまだ「???」なことばかりですが、この変化は可愛らしい感じがして、私はなんだかんだ好きです。
最近はなんとなくみんなが話している内容がわかる場面がほんの少しずつ増えたけど、じゃぁそれに対して自分はこう思うとか、聞きたいこと伝えたいことがあるのに言葉にできない場面もその分増えました。言葉にしないと上達もしないとわかってはいるけど、なかなか難しいです。焦らずに、少しずつ。
 
そんなこんなで、スペイン語はまだまだですが、カウンターパートがすごい日本語を覚えたがってくれていること、同僚や他の部署の知り合いに時々日本語教えてくれと言われていたので、部署で日本語教室始めました。教室と言ってもみんな仕事が始まる前か通りがかりに部署に立ち寄るかんじなので、雑談と、今の私の語学力でも話の種になるように。その日の日本語を3つだけ書いて、毎日日めくりにしていくファイルを置くというだけの簡単なものです。みんな意外に見てくれて、発音してくれたり。ごみ回収に出かけていく前に見てくれたり。覚えてくれなくてもそれだけで、私は楽しいので、置かないよりはいいかと思って、とりあえず続けてみようと思います。

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集会

9月末に、部署で臨時の職場集会が開催されました。集会の趣旨は10月から変わるごみ収集スケジュールの変更の周知と先日各家庭を回って出てきた要望や不満の声の共有といったところ。参加者は廃棄物管理課の人たち(街の清掃担当者、ごみ収集担当者、最終処分場の常駐者)と、市役所の調整役のような立ち位置の人。もちろん、全員に連絡が行き届いてなかったりして、最初はまばらだったりしましたが、それでも最終的にはほぼみんな揃って、いろいろ意見がたくさん出ていました。しかもみんなの主張が終わらず、12時を過ぎて、お昼休みを少し延長。こっちの話し合うための会議や集会は、これまで私が出させてもらった中では、100%の確率で延長しまくります。主催者側の話がいったん終了すると、様子を見ながら、少しずつみんな意見を言い出して、そのあとどんどんみんな手をあげて自分の意見を言う。はじめはみんな熱心!とか思ったけど、たぶん単に、みんな話すこと、自分の思ったことを人前で話すこと、自分の話を聞いてもらえる場が基本的に好きなんだろうなと感じます。

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先週も会議がありました。これは、日本でいう町内会長のような人たちが15人ほど集まって廃棄物管理課からのお話を聞いてもらうというもの。内容は前半がとなりの県から国立大学チームがきて、環境意識についてのお話、後半が新しいごみ回収スケジュールについての周知。15人ほどといってもたぶん全員ではない。前日までに各町内会長にこの会議があるから来てねっていう案内をしに回っていたけど、これも全部歩いて現在の町内会長が誰なのかを探すところから始まるので、全然終わりませんでした。同僚と2時間かけて探してやっと1人目の町内会長に出会えたくらい。町内会長の名簿みたいのがあったらラクなのに~って思ったけど、太陽が昇って沈むようにメンバーは変わっていくから難しいよみたいなこと言われた気がする。

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この会議も結局お昼までのはずが1時間くらい延長。特に後半戦はみんなどんどん手を挙げて意見を言います。これ全部理解できたらもっといろんなことを感じれるんだろうな~と思いながら、うしろでお腹を空かせて傍聴。やっぱり新しい回収スケジュールのところは市役所内部でさえも少し疑問の声があるのかなんだか変な不穏な空気が漂っています。言葉が通じなくても、そういう雰囲気って感じ取れるものなんだな~とか思ったり。

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この日の午後は市役所内に分別ごみ箱を設置するため、各部署に必要なごみ箱の数を確認。各部署に今いくつごみ箱を持っているか聞いて回りました。みんな親切に教えてくれましたが、やっぱり普段入りなれない部署に一人で入っていって話すのは緊張もしたし、疲れた。とは言え、早いうちに本格的に分別を始めたいし、カウンターパートもやる気になってくれているので、私もゆっくりとできることはがんばります。

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赤道博物館の敷地内にあった世界の都市までの距離を表すもの。東京もありました。

2カ月ぶりの首都

任国到着3ヵ月オリエンテーションのため、9月30日から首都に上がっていました。隊員の中でも一番首都から遠い私は、ヤンササ(任地)↔サモラ(任地がある県の州都)↔ロハ(隣の県の州都)↔カタマヨ(空港がある街)↔キト(首都)の順で移動。朝、ヤンササのバスターミナルでバスを待っていると、たまたまごみ収集車で土曜日のごみを収集する同僚に遭遇できたり、家からバスターミナルに向かう途中も他の同僚に会ったり、家族が車で通り過ぎたり、まだまだ慣れない外国人の私にとっては過ごしやすい規模の街だなぁと思いつつ、ヤンササからカタマヨまではバスを乗り継ぎ、カタマヨからキトは飛行機。カタマヨで活動する同期隊員と空港でおちあって、キトへ。今回は初めての上京だったので、週末にロハで過ごすカウンターパートにロハでの乗り継ぎを案内してもらいつつ、お家でお昼ごはんをごちそうになったりもしました。今回のオリエンテーションではこれから定期的に提出する報告書についてや活動に利用できる現地業務費の申請方法、大使館の草の根支援の申請方法など、活動についてがほとんど。これからどんどん活動を本格化させていかないとなぁという思いが強くなって少し焦るけど、だからと言ってすぐに何かができる訳でもなく、モチベーションの持ち方が難しいところではあります。

首都滞在中のお休みにはキトからバスで2時間ほどのオタバロという街を少しだけ観光。

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エクアドル派遣が決まってからずっと行きたかった街。インディヘナオタバロ族が民族衣装を着て住んでいる伝統的な街で女性たちはみんな、民族衣装を着ていてそれを見るだけでかわいい。男性は黒い髪を伸ばして、うしろで三つ編みをするのがインディヘナスタイル。今回はあまりじっくり見れなかったので、ここには同期隊員もいるし、また次回ちゃんと観光しに来ようと思います。

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標高があまり高くない任地での生活に慣れていると、標高2800mのキトに上がると時々息がしづらかったり、具合が悪くなるほどではないけど、体調も明らかに変化します。4日の夕方の便でカタマヨに向けてキトから出発したものの、悪天候で着陸できず、グアヤキルというエクアドル最大の街にある空港に一旦行き、その日はそこから結局キトに戻ることに。カタマヨに着陸できない案内が機内に流れたときは一瞬ヒヤッとしたけど、まわりの席のエクアドル人の人がとても愉快な人たちだったので、なぜか機内で私の列だけ笑って盛り上がるという光景になり、なんだかんだそれも楽しかったです。機内でたまたま隣だったキト市役所に務める女性と少しお話して、振替の手続きやキトでのタクシーの手配を一緒にしたけど、結局、振替の飛行機の予約がうまくいかずに、3日ほど首都に延長滞在することに。なのでこの期間を利用して、ついに行きたかった赤道に行きました。黄色い線がある公園は博物館併設の観光用。赤い線が真の赤道。

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他にも、初めて会う先輩隊員やちょうど到着した次の隊次の後輩たちにも少し会えたし、任地に帰るのは遅くなってしまったけど、これはこれでよかったと思うことにします。そしてやっとの思いで8日の夜に任地に帰還。やはり遠い。

任地から上がると、キトの街はおしゃれなお店もたくさんあるし、任地では買えない日本食を作るのに必要なものも揃う。でも人も車もビルもいっぱいで、治安も良くないのでさらに気も張って、物価も高いです。キト隊員の人にとってはきっと快適なんだろうなと思いつつも、任地のゆったりしたかんじと暖かい気候とか、ステイ先の家族とか、職場の仲間たちのことが懐かしくもなったり。都会は、住み慣れた日本の安全な都会がいいなと、余計に日本が恋しくなったりもしました。f:id:reikomiyahara:20171011124408j:plain

キトで食べた韓国料理にみんなで感動。久しぶりのごま油風味。おいしかった〜。また首都に上がったら絶対食べよう。

もうすぐ3か月☺

通勤に使っている道を勝手に紹介。と言っても家から市役所までは徒歩5分もかからないです。勤務時間中でもちょっと忘れ物取りに帰れる距離です。

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いつも通る道は2種類あります。ひとつは屋根がついている部分が多いので、雨の日や日差しが強いときなどはよく通っています。

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写真の5階建ての建物が市役所です。ちなみにわたしがいるのは2階。この通りが任地で一番の大通り。街の中心の道です。
こっちのルートには途中で露店販売をしているおじいさんがいて、毎日通るうちに挨拶するようになりました。数日間通らなかったら、この前久しぶりに通ったとき「最近見かけなかったからどうしたのかと思ったよ~」なんて言ってくれてうれしかったです。今度名前を聞こう。

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 話は変わり、先週、minga(ミンガ)と呼ばれている街の清掃活動に参加しました。普段は毎日街に落ちるごみ(中心部や大通り沿いのみ)を拾う作業を主な仕事とする同僚が何人かいますが、今回その人たちが集まってみんなで大規模な掃き掃除をするみたいな内容でした。2か月に1回ずつくらい開催されるような様子。私もいれて全部で10人ほど。2日間にわたって。大きな市場が開催される場所のあたりからバスターミナルまでの大通り沿いと、そこから病院に続く道。大通り沿いは道の真ん中に溜まる砂や砂利を掃いて取り除く作業。翌日は大通りの反対側と病院方面まで。これらの道は舗装もされています。

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大通りを掃いていると、市役所の知り合いやごみ収集車の同僚、ステイ先の家族がトラックや車で通って、手を振ってくれたり、クラクションで合図してくれたり。そんな中、途中から私はどうしても砂より歩道に落ちるプラスチックのごみやお菓子のごみが気になったのと、砂を見続けるのも見飽きたので、歩道脇の草むらに落ちてるプラスチックごみも1人で勝手に集めてました。もちろん1人ではすべて集めるのは無理だし、どうにも手がつけられないほどの場所もあったけど。

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明日は10月1日。ごみの回収スケジュールが変わる日です。ほんとは任地で様子を見たかったけど、来週、首都の事務所で到着後3か月オリエンテーションがあるため、明日首都に向けて出発します。久しぶりに同期隊員にも会えます。エクアドルに着いて3か月。到着した頃や任地に着いてすぐは、3か月オリなんてまだまだ先…と思っていたけど、最近は毎日どんどん早く過ぎていきます。