音楽・踊り・距離感

ここエクアドルは、さすがラテンアメリカの国なだけあって、仕事中音楽をかけることができます。できるというより勝手にみんなかけ始める。他の部署からも聴こえてきたり。首都に滞在していたときに銀行開設手続きで、ピチンチャ銀行というエクアドルの銀行を訪れました。そのときも、本店のようなビルの上の方のオフィス感漂うきちんとしたかっこいい部屋でそれぞれ手続きをしましたが、一人一人の窓口でもかなりイケイケの音楽が流れていたり、日本みたいな「お客様対応」を気にした行動も一切ないです。文化の違いだから、全然感じ悪くはないし、逆になんだか面白かった。同僚や家族に日本では職場で音楽をかけることはできないなぁって言うと「なんで?」って言われて、それが当たり前だと思って過ごしていたので、そういえば理由って考えたことなくて回答に困りました。「音楽かければリラックスできるでしょ」ってみんな言います。ここでは自分の好きな音楽をかけてリラックスしながら仕事することも大切みたいです。あとはダンスの話もとても多い。日本には踊る文化(日本舞踊とか除いて)はあまり無い、ディスコも少ないよって言うと驚かれます。私に踊りの話を振ってくれるときのみんなのテンションがハンパない。で、わたしが良い反応をすると喜んでくれる。ここでは踊りの話もとても大切みたい。ごみ収集車に乗ってても、「音楽かけるぞ、音楽好きか?」って聞かれて、「好き好き!」って答えると喜んでくれるし、音楽が流れた途端にみんなノリ始める。

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ちなみに彼はコロンビア人で奥さんがエクアドル人です。市役所の文化振興課的な部署の音楽の先生で、文化施設を訪問したときに知り合い、そこから音楽祭に参加させてもらったりしました。この日はたまたま市役所に来ていて、同僚が呼び止めるとうちの部署に来て1曲熱唱。(勤務時間中)

そして先週の木金土と任地ではお祭りがあり、木曜と土曜の夜に家族と一緒に参加してきました。基本野外フェスみたいなかんじで、所々いくつかメインのイベントがあります。そのうちの一つ、ミスコンinヤンササver.(同じ県の中でそれぞれの市の代表が登場する)を見ることができました。伝統的な衣装ももちろん、代表の人たちは皆とってもきらびやかできれいだった。会場を歩いていると、何人か市役所の人に遭遇。やはりこじんまりとした街なので、たくさんの人と知り合ったら街中で会える確率が増えそうです。で、こういう場所ではだいたい隣り合った人たちとビールを分け合って飲むらしい。分け合うというより、いきなりとなりの知らない人から「飲んで!」ってカップを渡される。で、何回かそのやり取りをしたあとに、今度はもらった側が新しいビールを買ってきて、注いで渡すという流れ。「もらったら返す」ということなのかな。でもビールを飲み合っただけで、初対面だけど最後はハグまでしてお別れします。これがここの距離感です。ビールを渡したときもとっても感じが良い人たちでした。

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お祭り後、ごみはたくさん落ちていました。というか、感覚的には置いていくのが普通。

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距離感といえば挨拶についても。南米全体、もしくは他の多くの欧米文化の国も?かもしれないけど、任地に来てからは、会ったら必ず「握手」をしています。家族や身近に感じている人に対してはハグ。でもまぁ基本握手が多い。流れは、会う→「おはよう、こんにちは、調子はどう?」などの挨拶をしながら握手→雑談したり、必要な用事について話す→話が終わったら最後にもう1回握手して「さよなら、またね」ってかんじです。1回の挨拶で始まりと終わりに2回も握手します。しかも会うたびに。日本では、挨拶という形では1日1回だし、そのあと会うたびに同じく挨拶するということはなかったので、最初は毎回「握手」って多くない?って思ったけど、ここへ来てみんなとやってたら、慣れました。

しかもかなり広範囲(だと私は思う)で挨拶します。同じ廃棄物管理課の中でも3人の同僚だけではなく、ごみ収集をしている仲間たちも、他の部署の人も、すれ違ったら、してくれるし、同僚に付き添っていて、わたしにとってはまったくの初対面の人でもしてくれます。だから自然とこの挨拶が日課になりました。ちなみに手が汚れているときは腕を差し出してくれます。

JICAエクアドル事務所のボランティア調整員の方から、「まずはエクアドル人の距離感を掴んでいってください」と言われたことがなんとなくずっと頭の中にあって、国によって距離感ってどこがどう違うんだろうって思っていたけど、任地に来てから日常のあらゆる場面に感じる機会があって新しい発見がいっぱいです。