ご無沙汰更新

さて、ものすごく久しぶりです。最後に更新してから気が付いたらなんと約8ヵ月以上も経っていました。最近になりやっと少しだけ今の日常についてや、日々思うこと、色々な出来事をまた記してみようかなという気持ちにもあったので、久しぶりに更新することにしました。

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前回の更新から、協力隊の任期を終え、日本に帰国してから、になりますが、この間は色々なことがあったし、ものすごく色々なことを考えました。もちろん帰国してこれからどんな風に過ごしていくか、というところで私自身も環境の変化は大きくありましたし、私が住んでいたエクアドルでは、2019年10月から約1ヵ月ほど大統領政権に対するストライキが暴動化して、政治的混乱から非常事態宣言が出されていた期間もありました。そして、何と言っても現在は世界中がコロナウィルスにより、大変な状況になり、それぞれの生活は一変しました。

私自身は正直なところ初めはこれほどまでに大きく世界へ広がり、今のように世界がここまで危機的な状況になるとは思っていませんでした。たった数か月、数週間で世界の人々の生活や日常、経済はこんなにも変わってしまうのかと改めて驚いています。

 

JICAの海外協力隊は現在世界中の全隊員が日本に一時退避中です。特にアフリカや中南米の国々が2月末から3月頃にかけて国境封鎖や空路の出入りを一気に禁止する動きを見せてから、皆が一時帰国になってしまうまでの時間は本当に一瞬で、任地の同僚や友人に直接会えないまま帰国になっている隊員も多いです。現在の状況からはまたすぐにみんなが任国に戻ることができる日がくるのは難しい状況なのかなと推察します。そして同時に私がいたエクアドルもまたコロナウィルスで非常に悲惨な状況になっていると聞きます。

初めて感染者が確認されたグアヤキル(国際空港がある、実質的な経済の中心地でもあり、治安もとても悪い)をはじめとして、その周辺地域などのコスタ地方と呼ばれる沿岸部に近い県の感染者数はおそらくエクアドルの全感染者数の大部分を占めているのではないかと思われます。日本では、昨日の時点で1億2000人の人口に対して約1万2000人の感染者が確認されていると報道されているのに対し、エクアドルでは、約1700万人の人口に対して2万2000人以上の感染者の報告が報道されています。もちろん致死率も高く、死者330人ほどの日本と比べると、エクアドルでは上の人口に対して550名以上にのぼっています。しかも3月下旬から一日に報告される感染者数は膨大に増えはじめました。南米大陸でブラジルに次いで二番目に感染者数が多いとされています。もちろんブラジルに比べ面積も人口も規模が異なるのにこの数字は異常な気がします。

私が住んでいて、首都は思った以上に発展しているし、最低限のインフラも整備されているのは感じました。首都や都市の生活は一見豊かで現代風な生活もあるところにはあって、他のアジアやアフリカの国の様子の話と比べても発展しているように感じていました。とはいえ、先進国でもなく、もちろん地方との格差もあり、その地方での貧しい質素な暮らしを私は任期中に見たり、少なからず経験できたとも思っています。そして何より冒頭に書いたように政治不安による暴動化やストライキが非常事態宣言にまで繋がってしまったように、政治体制もまだまだ不安定で、同時に経済や医療も非常に脆弱であることも強く感じます。

現在は日本でさえ医療崩壊(危機)の報道がされる中、エクアドルのような国で爆発的な感染が起こったらどれほど悲惨な状態になるのか。もちろん病院は満床で、遺体を処理することもできないようです。感染者の遺体も街中に放置され、、街の衛生状態が悪くなり、良くない連鎖が起こります。また日本は挨拶のときにもともと握手をしたり、ハグをする文化はないですが、何よりもそれらを大切にする彼らの文化や、日本人に比べて愛着心が強いので人々との距離が近く、このような習慣の中で感染が広まってしまったという背景もあるのかなとも思います。これは日本に比べてアメリカをはじめとして欧米圏のほうが拡大が早かったことの数ある原因の中でひとつである気もしています。もちろん今はエクアドルでも握手はしないで、とか、いわゆる三密を避けマスクをするなどの啓発は出ています。ちなみに私がいた任地ヤンササがある県は海沿いから離れていたり、首都からも遠い奥地だからか、初期のころから検問や消毒などをすごくがんばっており、いまのところ感染者数は多くはありません。徐々に増加はしているので心配ですが。また中南米では決められた時間(昼間)以外に外に出歩く、マスク無での外出は逮捕されたり、罰金刑になったりと、刑事罰が科せられることもある状況になっていたりもするようで、こういう点は強制力がハンパないです。

スペイン語で自分の生まれた国のこと、ふるさとを思う気持ちを歌う「Yo nací en este país」というとても素敵な歌があります。意味は「私はこの国で生まれた」という意味で、音楽もきれいで初めて聴いた時から私は大好きになりました。ふるさとや家族やその国の愛おしい風景などを思い出して歌う暖かい気持ちが自然と伝わってくる曲です。隊員時代も事あるごとにみんなで演奏していたこの曲で、とても悲惨な日常と戦うエクアドルの人たちに少しでも思いを届けようと、エクアドル隊員仲間とこれを歌い、オンライン上でひとりひとり歌ったフレーズを繋げることにしました。(動画は別途公開していますので気になる方はご連絡ください)

遠く離れた日本から少しでもエクアドルの皆のことを想っている気持ち、一緒に頑張ろうという思いが伝わればいいなと、思います。

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 「前に進もう、また一緒に居られるように」という意味。

とはいえ、私の母国である日本ももちろん大変な危機的状況にあり、毎日いろいろな問題が取り上げられています。深刻な状態です。有名な方が亡くなられたり、身近に濃厚接触者特定されるケースも聞いたりと、他人事ではなく、働く環境も日々変化します。周りの人を守れるように、しっかり考えて行動していかないといけません。

私にできることをして、一日でも早く以前のような日常が戻ることを願います。

皆さんもお気をつけてください。

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4月あたまの桜。