都会と田舎

少し前の土日に任地の中心部から少し離れた地域に遊びに行く機会がありました。任地の行政区分について話すと、ヤンササ市は3つの地域を統括しています。一つはヤンササ中心部。ここはurbano(都会)と呼ばれています。あとの2つはどちらもrural(田舎地域)と呼ばれています。ちなみにこの2つの田舎地域はそれぞれchicaña(チカーニャ)、los encuentros(ロス・エンクエントロス)という名前の地域。それぞれの場所に学校も教会もあり、一つの街になっています。これまでにこの田舎地域と呼ばれる場所にはごみ収集で通ったり、家を回ったりするとき、行ったことはあったんだけど、どちらにしても市役所関連でしか行ったことがなく、あまり人々の生活を知る機会がありませんでした。それで今回たまたまチカーニャ地域の人のお家に遊びに行かせてもらいました。なんでかというと、市役所に出入りしているある人が私が着任してすぐの頃に、このチカーニャで行われる集会に呼んでくれて、そこに来ていたユリという女性が連絡先を交換してくれて、遊びに来てと言ってくれていたのが今回実現したという流れ。土曜日の夜にはコミュニティがいくつか集まる集会のようなものに参加させてもらって、一度家に帰り、日曜日もお昼ごはんを一緒に作りながらごちそうになりました。土曜の夜の集会は、チカーニャ中心から車でさらに50分ほど進んだ奥地で、ほんとにここでも人々が暮らしているんだという山の中でした。途中から家が数軒集まる小さな小さな集落が点在して、それらの集落から人々集まってきている様子。集会場所は一番奥にある運動場と小さな教会、炊き出し場が一緒になったコミュニティ広場。私たちが着いたのは夕方18時頃。橋を渡ってまた少し登っていくと広場がありました。

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すでに多くの人が集まっていて、男性たちはサッカー、バスケ、バレーをして、その後炊きだされたごはんをみんなで食べて、お酒を飲んで踊るというもの。私たちは夜の10時過ぎに帰ったけど、まだまだ遅くまで続いていました。

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次の日のお昼ごはんは伝統料理のティラピア(魚)を葉っぱで包んで焼いたもの。トマト玉ねぎのサラダとユカイモを添えて食べます。あとは焼きバナナ+チーズ。子供用に鶏肉も。お魚は塩味なので、ふつうに日本人の感覚でもおいしいです。ユカイモというお芋も私の大好物なので、おいしく食べました。

魚を包むための葉とユカイモを取りに行く。

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ふつうの台所もあるんだけど、普段からこの網で料理すると言ってました。ちなみにこの魚料理は「ayampaco」(アヤンパコ)という名前です。
お昼ごはんのあとはユリのお父さんお母さんが隣の州でサトウキビを取っていて、そのお迎えにと一緒に隣町まで連れて行ってもらいました。その帰り道に車の中で少し考えていたんだけど、私はこれまで勝手に田舎に住んでいるなぁと思っていました。それは任地にやって来て約5か月、それは、比べる対象が、任地に来るまでの少しの間過ごした首都キトやクエンカでの風景や生活、一番近い大きな都市ロハ、そして何よりも一番はこれまで27年間生活してきた日本の生活と比べていたから。もちろんそれらと比べるとヤンササ中心部でも田舎的な生活です。だけど、このヤンササの中心以外に広がる田舎地域と呼ばれる生活を見ると、自分が今すごく都会的な生活をしているのかも…と感じました。そして私が今回感じたように、ヤンササ中心に住んでいる人たちもまた同じように考えているのかも…と思いました。ヤンササ中心からチカーニャまでは車で約20分ほど、今回行ったそのまた奥はそのチカーニャからさらに車で50分ほど。山の上なのか少し肌寒く、それぞれの集落には学校(のようなもの?)はあるようだけど、日用品を買うための商店はないし、普段なかなかヤンササの中心まで下りてくるということが難しい場合、どうやって生活しているんだろう…と私にはまだまだ想像できない暮らしがそこにはあるんだろうなと思います。

今回私をチカーニャに招待してくれたユリ。彼女は21歳という若さですが、5歳と3歳の男の子のお母さんです。彼女自身は9人兄弟。彼女のお家の近くには兄弟たちもたくさん住んでいます。日本的に言うとシングルマザーで、子供たちのお父さんは遠くにいるらしい、そしてユリ自身は今は別の男性とみんなで一緒に暮らしていて、近々結婚するかんじなのかな。ちなみにこの男性は学校の先生で、チカーニャ地域の中の1つの町内会ような区画で町内会長をしているようです。この男性のお父さんもたくさん土地を持っているみたい。ユリは今は高卒だけど、働くためにこれから大学に行く必要があって、今後大学で観光学を学ぶ予定だと話してくれました。とっても明るくて、年下だけど、大人な女性。何より、最初の集会でスペイン語もままならない外国人の私に興味を持って話しかけてくれたことがうれしいです。

任地での生活も慣れてきたかなと感じている中での、また新しい経験でした。