すぐそこの外国

さてさて、任地を出る日を決めました。6月27日に任地を出発することに。それまでは最終報告準備や任地での残った細かいこと、荷造り、みんなとのお別れをします。

そして今回は5月23日~6月1日まで、2か国目の任国外旅行に行ってきたときのことを書きます。行き先はエクアドルのすぐ下のペルー。今回、私にとってこの旅行の最大のポイントは「エクアドルからペルーに陸路で入ること」でした。エクアドル最南部に位置する私の任地からは、わざわざ国内移動をして国際便が出ているキトやグアヤキルまで行くよりは、近くの南部都市ロハからペルーに陸路で入った方が近いのです。生まれて初めての陸路での国境越えを経験すること、これが私の最大の目的でした。

やはり、実際に移動してみて、これまで国内の長距離移動に慣れてきた私には国内移動をするよりも、ペルー国境までのほうが近く、改めてペルーに近い場所に住んでいたことを実感しました。白い部分がペルー。エクアドルと比べると大きくて、広い。

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ペルーまでの陸路は、任地ヤンササからいつもの通りロハへバスで3時間、そしてロハから国境を越えてペルーに入り、ペルーのピウラ(Piura)という場所まで行くバスに乗りました。ロハからピウラまでなんとたったの14ドル。任地からキトに行くまでのバスよりも全然安い。ロハからエクアドル側のペルー国境(マカラ)までが5時間半、思っていたよりも早く国境沿いに到着し、心の準備もあまりしないまま、そこでエクアドルの出国審査所を通りました。

エクアドルの出国審査所から見るエクアドル側。

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待っている間はやはり少しドキドキ、止められたらどうしよう…とか考えながらも無事通過。そして国境の橋を渡ると、そこからはもうペルー、今度はペルー側の入国審査所を通り、晴れてペルー入国です。

ここはもうペルー。

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同じバスにはエクアドル人夫婦が旅行目的で、そしてペルー人のおばさまがひとり。ペルー人のおばさまはよく行き来している感が満載で、贈り物であろう鶏を持っていたりしたので、おそらく家族がエクアドルの国境沿いあたりにいるのかなと少しお話しして聞いてみたらやはりそうでした。バスの中はかなり少人数だったので、ペルー入国後は近くに座ってみんなと少しだけお喋り。そしてそこからペルー国内をピウラまで4時間ほど走り、到着。

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ピウラの空港からペルーの首都リマ、そして最初の目的地であるフリアカという所まで国内線で移動しました。

大きな街、エクアドルとはまた全く異なる景色に感動。

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そして着いた先はプーノ(Puno)という街。とってもきれいな街でした。中央公園もとても素敵。

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この街に来た目的は「チチカカ湖」の観光。

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チチカカ湖にはいくつかの島があって、中でも有名なのは浮草で作った島に住むアイマラ族の生活。外国人観光客のツアーで賑わいます。

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たまたまこの島出身のガイドさんにあたり、彼から子供時代の生活の様子とかいろいろ直接聞くこともできました。

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そして次の島へ。ここは半島になっている地域。

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水もきれい。

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ここでは1晩だけのホームステイをしました。行政が観光産業として後押ししているような感じで、それぞれのお家もこういったステイのツアー用に小綺麗に整備され、食器なども揃えられていました。
一晩泊まったお家。

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お肉を食べない食習慣とのことでした。

ステイ先には小さな子が。日々いろいろな大人の外国人が出入りするからか、人見知りもほぼなく、人懐っこい子でした。

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奥にうっすら見える氷山はボリビアの。

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そして翌日最後の島へ移動。

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民族衣装に特徴があって、帽子やマント、色遣いなどで男女それぞれ独身か既婚か、村の長だけが被れる帽子などの区別があるらしい。

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帰りがけにまた浮草の島を横切りながら、市街地へ帰ってきました。

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ここプーノはペルーの中でも標高がとても高い地域、標高約4000メートルにのぼります。少しゆるやかな坂を歩くだけでもすぐ苦しくなるし、夜寝ていても息苦しさを感じる、そんな感じ。でも魅力たっぷりの街でした。

プーノのバスターミナル。

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そして次はここプーノからバスでクスコへ。マチュピチュを目指しました。途中の景色もとてもおもしろい。

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クスコの街には圧倒で、さすが世界遺産マチュピチュの街、観光で賑わい、街もとっても素敵。

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街灯もおしゃれ。
翌日からは「マチュピチュ」へ行くために移動。リャマもアルパカもいます。

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途中の塩田にも圧倒。ここは本当にすごかった。とてもきれいな塩田の景色でした。マチュピチュに行くなら、ここにも寄ることをおすすめします。

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塩田の中で作業をする人々。

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オジャンタイタンボ(Ollantaytambo)という街に着くと、そこから電車に乗ります。

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そして1時間ほど乗るとマチュピチュに一番近い街(アグアカリエンテ)へ到着。到着したのは夜。

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マチュピチュに入るには入場券が必要で、私たちは次の日の早朝の入場券を買っていたので翌日早起きし、マチュピチュの入り口まではバス、そしてそしていよいよ入場。少しのぼるとすぐ遺跡が見えてきます。

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遺跡の中も散策。

今回一緒に行った同期と後輩隊員と。

f:id:reikomiyahara:20190613020734j:plainかわいいマチュピチュスタンプ。

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 帰りの電車では、アメリカ人の女性と席がとなりになり、ひょんなことからお話。彼女はアメリカ人ボランティア、看護師さんでペルーでボランティア活動をしているとのことでした。休暇でアメリカから家族が来て、一緒に国内を旅行している途中でした。

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クスコで食べた「クイ」。ハツカネズミ。エクアドルでも食べます。私はけっこう好きですが、日本人には不評。

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ペルーのビール「クスケーニョ」。実は任地にも売っている。

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マチュピチュへ行くための電車の手続きで少しハプニングがありましたが彼の手助けのおかげで無事にたどり着くことができました。別の日本人ツアーグループのペルー人ガイドさん。日本語かなお上手でした。

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そしてマチュピチュ観光を終えるともう旅も終盤。

クスコからリマへ国内線、リマからバスで南に4時間ほど行ったところに、イカという街があります。ここの気候は暑く、乾燥地帯。ここで同期の環境教育隊員が活動しています。

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すぐそこに見える砂漠。イカの観光地、「ワカチナ(Gwakachina)」という砂漠地帯です。

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ペルーの名物海鮮料理「セビーチェ」。海鮮をレモンでしめたお料理。

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この海鮮スープの日本人向けの出汁のきいたやさしい味でペルーはごはんがおいしいです。エクアドルよりもずっと。

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インカ文明の博物館をさらりと一周、そして慌ただしくリマへの帰路へ。私は再度陸路でエクアドルに帰国するため、もう一度国内の最北の空港ピウラへ、そしてそこから同じバス、今度はエクアドルに戻るバスに乗り、同じ国境で、ペルー出国、エクアドル入国審査を通り、無事帰国。

ペルーからのエクアドル・ロハ行きのバスと乗車券。

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でもペルーは街の至る所にごみが無造作にばらまかれたような捨て方をされていました。汚かった。観光地と移動中の幹線道路沿いの風景との差も感じる。貧富の差も感じる。

ペルー出国時、審査所内のシステムダウンで1時間以上何もせず待ったりもした。

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あっちはエクアドル

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そして無事ペルー出国時、再度渡った国境の橋で見つける。日本の大使館との援助で作られた橋でした。

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エクアドルが見えてきてほっとした瞬間。

川とその上に架かる橋1本を隔てるだけの向こう側に別の国が広がっている、それはなんだか不思議な空間でした。でも私たち日本人にとって常に外国=違う言葉を話すところ、日本語が通じないところ、という意識ですが、別の国に行っても、自分たちが話す言語が同様に使われていて、その言葉で他の国の人とコミュニケーションが取れる、そんなことができる可能性を秘める国々に住む世界はまたそれはそれで素晴らしいだろうなと、他の国がもっと近くに感じることができて、大きな可能性が広がっているなと思いました。

そして任地の生活も大詰めではありますが、なんだか荷造りや餞別の品の作成にまだまだ本腰を入れて取り掛かれません。JICA事務所で行う最終報告、任地で行う最終報告が近づいてきています。ドキドキ。

最後までみんなとの時間を楽しめますように。