山の民に出会う旅
今月あたまに先輩隊員の最終報告会がありました。この隊次の先輩たちとは隊次が近かった分、首都から遠い私でもなにかと一緒に過ごす機会があったし、いろいろと本当にお世話になりました。また日本で会えますように。
JICA事務所で報告会後の打ち上げ。
最後にみんなで首都の隊員連絡所で。日本へ行ってらっしゃいの前。夜中。
この最終報告会への出席は義務ではありません。義務ではないので自費で上京。飛行機にすると高くなるので、思い切ってバスで行くことに。南から北へバスで14時間ほど。遠かった。そしてせっかく長い道のりをかけて首都へ来たので、この機会を利用して、他の同期の環境教育隊員の任地を訪れることに。観光地ももちろんいいけど、私は観光地化されていない隊員がいる小さい街に行くほうがなんとなく好きです。
ざっと今回の道のりはこんかかんじでした。
青が任地からキトまでオリエンテを抜ける往路、オレンジが同期の任地を寄りながらの山間部を通った復路。
今回キトから南下しながら訪れた街は3つ。現在8名いるエクアドルの環境教育隊員のうち、山の地域に3名の環境教育隊員がそれぞれの街の市役所で活動しながら住んでいます。
これらの街に行くにはどれも、エクアドル中央山間部のハブになるような「リオバンバ(Riobamba)」という大きな街を通ります。ここもロハのように都会です。ちなみに首都キトからリオバンバまではバスで4時間ほど。
最初はグアモテという街。ここはハブの街リオバンバから1時間。
ここにも観光用の列車が走るけど月に何回とか、いつ来るかとかはずっと住んでる同期でも把握不可能。
最近できたという展望台からの眺め。
グアモテはエクアドルの中でも標高がとても高い地域、街の中心部でも3100~3200メートルあるという、私では絶対に適応できなかったであろう街。インディヘナの割合がほとんどを占めます。市役所に並ぶ市民もインディヘナが多い。
この街では毎週木曜日に大きなferia(市場)が開かれるということで、木曜日に合わせて訪問。ふだん静かなグアモテも木曜日だけは活気づくという同期の言うとおり、たくさんの人でした。山間部なだけあり、売られているものも様々。動物もたくさん。
動物市。
ここで一応買い取りされる動物の履歴をつけているけど、何を買うかは買う方が言うだけでいいみたいなので、たぶんいろいろめちゃくちゃ、お金もちゃんとしたお金を取れているのかは不明。標高3000メートルの街は寒い。夜はもっと寒い。ここでこのグアモテ隊員の同期は洗濯機なしの手洗い洗濯、誰か洗濯機がある隊員の街、もしくはキトにあがるタイミングを有効活用しなくてはならないという洗濯生活を送っています。ちなみに私を含めて9人いる同期隊員の中で洗濯機なし生活を送るのは、このグアモテ隊員ともう1人の2人。そしてグアモテの大変なところ。それは言葉。インディヘナが大半を占めるこの街はスペイン語と同じくらい(むしろそれ以上?)山間インディヘナの現地語「ケチュア語」を習得しなければなりません。そしてほぼ辞書なし。聞き取りと書き取りだけでボキャブラリーを増やしていっています。すごいなぁ。グアモテはインディヘナの街であるのと、小さい街ということも合わさってか、少し閉鎖的なかんじがしました。私たちが通ると「China, Chinita...」(中国人だ、アジア人だ…)とコソコソと話すかんじ、もちろん他の街でもあるけど、とりわけこういう雰囲気が強かったように思います。
そして約1日後、もうひとつの街へ移動。
バスで一度グアモテからリオバンバへ戻り、そこから別の方面にバスで2時間。エクアドルを象徴する日本の富士山的存在である「チンボラソ山」の麓を通ります。
残念ながら雨季のため、曇っていて山は見れず。そして着く街はグアランダという街。ここは県庁が置かれる県都になっていたり、日本のボランティアだけでなく、韓国やドイツのボランティアなども入る大きな街。
少しおしゃれなカフェもある。グアランダには同期の環境教育隊員と最近さらに2人、他の職種でも到着しており、夜にはみんなで集まってゲームができるボランティアコミュニティも成長中の街でした。
ここで活動を行う同期の環境隊員は、日々学童でたくさんの授業をしています。彼女のモットーは「道徳の授業」。「人を大切にできない人は自然も大切にできない」という、みんなが共感する納得のすてきな方針です。
到着した日は彼女の学童での授業をお手伝い&見学。
翌日はグアランダに近くのもうひとりの環境隊員が住む街サン・ホセ・デ・チンボという街を少し見学、グアランダからバスで30分ほど。
そして他に2つの街(村というかんじの小さなコミュニティの街)を訪れました。ひとつはサリーナスというチョコレートが有名な街。
チョコレート工場。
そしてもうひとつはシミアトゥグというかわいいかわいい刺繍が有名な街。
そして翌日から帰路へ。まずはグアランダからリオバンバへ2時間。リオバンバからバスでクエンカへ6時間半。クエンカからロハに5時間。安全のためと疲れがMAXだったのもあり、ロハで一泊休み、翌日任地へ無事に帰りました。
アンデスを感じながら、任地では絶対に感じられない山間部の景色、寒さなどなど、おもしろい旅でした。