始業式と運動会

さて、9月に入り、子どもたちの学校生活も続々と始まっているかんじです。ここでは9月が新年度の始まりなので、新たに学校に入学する手続きや進級の手続きとか、いろいろ少しバタバタしているかんじもしますが、それでもステイ先の孫たちや道ですれ違う知り合いの子に「学校はいつから始まるの?」と聞くと、わりとみんな「知らない~♪」みたいなゆるい返事が返ってきていました。うん、いつまで経ってもよくわからない。何なんだろう、やっぱり掴めないよな、このほわっとしたかんじ。

それでも、きのう今日くらいから続々と生徒が登校しているようで、市役所に一番近い学校(Juan XXIII)では始業式のようなものが開かれていました。これは始業式兼入学式のようなかんじっぽい。この学校は小学校から高校まで同じひとつの教育機関になっており、日本でいう中学までの学年を修了し、高校が始まる子にとっては入学式、それ以外の子にとっては始業式のようなかんじかと解釈しました。エクアドル国歌斉唱もありました。
日本とは制度もいろいろ違うので細かいところまでは理解できませんが。同僚が自分の子どもが高校にあがる歳で、ちょっと出かけようと言われ、巡回の途中に学校へ立ち寄り、私も同僚と一緒に見物。こうやって仕事の合間にプライベートなことを持ち込むことができるのもここならでは。むしろみんなそうかな。良いなと思う面ももちろんありますが、仕事とプライベートを分けるという概念、そもそも分けた方がけじめがあるよねという考え方もないんだろうな…と見てて思います。他の同僚は、巡回に行くと出かけて行き、建築中の自分の家ばかり偵察に行ってるしね、気になるのはわかりますが、仕事しなよと思います、まぁでも彼は私にとても親切で人柄はとても良い人です。

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 来たい人は親たちも見学。見ているとエクアドルの親たちは心配症というか過保護というか、日本とはまた違う観点で自分の子どもに対して「そんなところまでやってあげるの?」と思ってしまうところがあるけれど、きっとこれもここの距離感ですね。

今後の活動のためもあり、学校が始まったということで、週一授業の学校へ行き、私もまた校長先生に挨拶してきました。

そして、キトから戻った週、8月29日~31日、水曜日から金曜日までの3日間、県内の市役所対抗運動会が開催されました。この大会は市役所にとっては、年に一度の大きなイベント。

 

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私の任地がある県はエクアドル南部の赤い部分、サモラ・チンチペ県ですが、ここを拡大すると、こんなかんじに州が分かれています。

 

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青い部分が任地があるYantzaza州、ちなみに州の中に市があります。
この県内にあるすべての州がひとつの市に集まって、スポーツ大会を行います。と言っても大会種目は、サッカー、バスケ、バレーボールの3種目。ほんとにエクアドルの人たちはこの3種目が大好き。エクアドル人、言った次の瞬間にはもう違うことをしてたりとか、いろいろなことに飽き性だなと思う側面は多々あるのですが、この3つのスポーツに関しては、人生を通して熱中しているのではないかと思わせるほどいつもこの3種目で競っています。今年の運動会の開催地はYacuambi(ヤクアンビ)というところ。任地の左となりの州で、車で1時間半ほど。ヤクアンビはアスアイ県との県境で、このアスアイ県には私たちが任地配属前に1ヵ月過ごしたクエンカという大きな街がある、シエラ地域の県です。ヤクアンビは任地よりは少し標高が高く、シエラ地域のインディヘナが多いんだよと周りに言われて、任地と同じ県内、オリエンテ地域に属するのになんでだろう…と思いながら訪れましたが、行ってみると到着までの道は登り坂で、ほんとに少し涼しく、山岳インディヘナも多かったな~。改めてこう地図を見ると、シエラのアスアイ県に接してるだけあります。こうやって人が流れてきたんだなと納得。アスアイ県に入る主な手段は長距離バスでロハをいったんぐるっと経由する経路なのですが、そういえば前にこのアスアイ県とヤクアンビの間に日本大使館の草の根支援で建てられた橋があり、クエンカとヤクアンビの交通の便が良くなったという話を聞いたことがあったけど、きっとここのあたりのことを言ってたんだなと、今回その話がつながりました。

 運動会開会式の風景。

 

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学校の始業式同様、ここでも国歌斉唱を行っていました。f:id:reikomiyahara:20180905065624j:plain

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聖火を持っている男性が山岳インディヘナのひとつ、サラグロ族と呼ばれる人たちです。男性も女性も、髪の毛を長くして、うしろで三つ編みしています。サラグロ族という名前のサラグロは地名から来ています。いつかそこを訪れたら、彼らについてさらに紹介します。

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サラグロの女性がクイ(ハツカネズミ)を焼いています。

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このモデルのような佇まいのかわいい彼女は市役所の同僚です。これは「マドリーナ」と言って、必ずスポーツ大会の各チームに配置される女性。主にはそれぞれのチームから選出されるので、彼女も同じ市役所の中から選出されているし、他に出場している市役所たちも、それぞれ自分たちの市役所からマドリーナ役になる女性を選出。それぞれみんなきらびやかに着飾っていました。他の国がわからないのですが、これもここならではの慣習ですか?きっと「チームを見守る女性」的な立ち位置、キリスト教の何らかの何かに関係していると思われるのですが、そういうことを含めても、う~ん、正直私にはマドリーナの存在意味がわからない。もちろん着飾っている女性たちはみんな美しくて見惚れますが。

開会式後に集合写真。

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開会式後の気合い注入。

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「これは労働の一環だからがんばろう」みたいなセリフが印象的でした。このセリフの裏には、この3日間はふつうの平日だけど、この選手にエントリーしている職員たちはみんな市長から仕事を休んでこの運動会に参加してもよいというお達しが出ているから、みんなまじめに全力で戦ってねみたいなことを言いたかったんだと思われます。でもみんなもちゃんとまじめに聞くから、やっぱりスポーツ文化がとっても大切にされています。

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 昼間は総当たり戦でそれぞれの州と各種目激闘し、夜はお酒飲んで、みんなで踊って騒ぐという、まぁお決まりの楽しみ方です。

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同僚(48歳)、サッカー得意と言っているだけあり、試合開始後すぐにゴールをたくさん入れていました。ちなみに彼がここ最近仕事の合間に建築中の自分の家の偵察に夢中の同僚。エクアドルでは、日本で中年と呼ばれる年齢の人たちも機敏に動いて運動をこなすので、すごいなと思います。もちろん男女ともに、体型も関係なく。

 

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 暗くなると、コートの電気が点かなくて、一時中断、このまま延期か…とも囁かれましたが、無事に電気が点いて試合再開。

開催期間の3日間とも開催地ヤクアンビに泊まるという選択肢もあり、まぁ1日くらいは泊まってもいいかなとも思ったけど、これまでの経験上、エクアドルの人と宿泊をともにすると間違いなくサバイバルになること間違いなしと予想でき、私はそれまでのキトでの公務の疲れが少し溜まっていたし、朝6時出発の眠気に勝てず、1日目だけ行って、その日の夜に帰るという人の車に乗せてもらい、初日の夜に帰宅しました。

 

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そして、大会結果、なんだかんだヤンササチームは総合優勝したらしいです。ということで、試合に出ていた同僚何人かには一応「Felícitaciones! General campionato!」(総合優勝おめでとう!)と声を掛けておきました。うん、おめでとう。

日本では台風や北海道地震など、やはり今年は自然災害が多いなと感じる年です。少しでも被害が最小限にとどまることを祈っています。

ではまた。