怒涛の研修会

こんばんは、エクアドルはいま、夜です。6月ももう後半戦で、今月はありがたいことに少し忙しかったです。一番は何と言っても環境教育部会による国内研修の開催でした。部会が発足してから約半年ほど、部会のメンバーで計画してきた研修がついに本番を迎えました。この研修にはそれぞれの同僚を呼んで、いろいろな事例を紹介して、できれば日本人講師も呼んだり、エクアドル環境省の人と連携して…とかいろいろみんなで企画していたのですが、いろいろな都合で、今回の研修は各任地の取り組み内容を知る、ボランティアによる日本と世界の事例紹介、各任地の環境部門で働く人たちのつながりの土台作りといったところに収まりました。ちなみに私個人としては途中で再度カウンターパートが交代したり、ましてや開催場所のキトまで遠く、他の任地に比べて移動日数が倍かかるので、同僚に参加してもらえるか、研修開催に時間を使うより任地でできることをしたほうがいいんじゃないかなどと当初消極的だったのですが、でも終わってみて、本当に研修を開催できてよかったと思いました。もちろん私自身も良い経験になったし、他の隊員の同僚に会ったり、そしてやはり一番は私の同僚を連れていけたことです。配属先であるヤンササ市役所からは2人に出席してもらいました。1人目は今のカウンターパート(フアン・カルロス)、2人目は1代目カウンターパートのオルランドオルランドはJICA事業やJICAボランティアのことを深く知る人物であり、かつ日本の技術に関心があること、自分が興味を持った環境分野に対しては深く追求するところ、部署は違っても協力できる余地があると感じている点などを加味して来てもらうことにしました。そして今のカウンターパートのフアン・カルロス。彼は見ていてとても仕事を頑張っているし、私に対してもとても親切だし、新たにJICAのことを知ってもらえる人材作りにもなるかな~と思ったり、そして、今回の研修を通じて見たものや感じたものを任地に還元していける存在なのではないかなと感じていたので、忙しい合間を縫って彼に来てもらえたことは大きかったと思います。それにJICAのこういう研修への参加者を任地の市役所内で1人でも増やせたことは逆に考えると、今のこの環境だから出来たことです。

研修本番直前は、本当に寝る間がないと思ったほど忙しかったけど、ひとまず無事に終わってよかったです。何より今回の研修を発案してくれた先輩隊員をはじめ、部会のメンバーには感謝です。

 キトにあるカロリーナ公園の「jardin botanico」という植物園でで1日目を開催。ここには最近、日本庭園ができて、ここで開会式を行いました。

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2日目はJICAの事務所内で。私は2日目の午前中に司会を担当。

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左が今のカウンターパート。右がオルランド

最後にエクアドル余興隊のみんなで「上を向いて歩こう」を演奏。

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そしてそして、最近あった貴重な経験について、2つ紹介します。

まず1つめ。ちょうど1年ほど前に任地の少し田舎のほうの地域(Mutinza)で、セレモニーが行われました。何のセレモニーかと言うと、日本大使館の支援で建てられた橋の開業セレモニー。日本大使館が行う支援事業の中に「草の根支援」というものがあり、これは私達ボランティアの活動が「草の根」と呼ばれているように、「草の根」ベースで支援する大使館事業の一環です。もちろん私たちの活動は直接的なお金のやり取りは発生しない人的支援ですが、大使館のこの「草の根」支援は一定金額内での支援を行い、人間の安全保障にかかわるものの建設やそれを支える物の寄付などを行っている事業です。その事業で建てられた橋。今回お祝いされた橋の前に任地にはすでに1つこの大使館の草の根援助で建てられた橋があって、一度ごみ回収の車で通ったことがありました。この橋がある地域も田舎と呼ばれる地域のうちの1つですが、この橋はこの地域を統括しているコミュニティと大使館がやり取りをして建てられたもの。今回出来上がった橋の地域を統括しているのは一応市役所なので、市役所からの直接的に申請されたもの。ということで、小さな小さな橋の完成式典が行われました。

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奥の黄色と緑の橋が今回建設されたもの。

式典には市長、大使館の方2名(もちろん日本人です)、市役所の職員たち(式典後に振る舞われるお昼ごはん目当てで潜り込んでいた職員たちも多数)、橋が建てられた地域の町内会長をはじめとして住民たちなどなど。

市長のお話。

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大使館の方のお話。

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町内会長のお話。

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現地の方々のスピーチの中には必ず「Gracias, el pueblo de Japón!」(ありがとう、日本の皆さん)という言葉が繰り返し使われていました。

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セレモニーでは、はじめにエクアドルの国歌斉唱(エクアドルの国歌もとても素敵なのでぜひ聴いてみてください)、次に日本の国歌斉唱(君が代を歌えるのはもちろん大使館の方2名と私の3人だけ。周りのエクアドル人たちが「どんな歌?」と興味ありげに耳を傾けてくれたので、一応がんばって歌いました)、そして市長や大使のお話、エクアドル国旗色のテープを切って、写真撮影。そのあとはここの地域で用意してくれた文化紹介の踊りを鑑賞して、お昼ごはんをみんなでいただき、解散。

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f:id:reikomiyahara:20180622080017j:plain橋の建設の申請が始まったのはなんでも10年以上前から。私は一切関わっていないけど、このタイミングで任地に派遣されている日本人ボランティアとしてこの瞬間に立ち会うことができてとても光栄で、貴重な機会でした。

そして2つめ。任地の隣の州に「Paquisha(パキシャ)」という州があります。

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その先に金が取れる採掘場所があり、知り合いに連れて行ってもらう機会があり、訪れることができました。任地の中心地からパキシャの中心地までは車で約1時間ほど。そこからまたさらに1時間ほど車で登ると採掘場所の村に到着。ここにも人々は住んでいました。

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そもそもエクアドルは2500mの場所に首都があって、国内にはもっともっと標高が高いところに人は住んでいるし、エクアドルだけではなくボリビアに行った時も標高4000mのところに街があって、どこかアジアの街のように人がひしめき合って生活していたり、と本当に人間の生活力の強さを感じます。その度にこんなところにも人間って住めるんだなと感じます。この採掘場所にあったコミュニティもそう感じたひとつの場所でした。

話を戻して、村に着き、その先の採掘場所が集まっている地帯に入るところには軍隊の人がいてなんだか厳戒な雰囲気が漂います。

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その先にいくつかの採掘場所が点々としているかんじ。実際金の採掘の仕事もとっても危険なんだろうなと採掘されるトンネルを見るだけで分かります。

採掘トンネルのの入り口の近くには小さい看板が付いていて、それぞれ持ち主の名前が書いてありました。

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そしてその先の山の向こうはもうペルーらしい。ほんとに自分がこんなところに居るのが信じられなくて、なんだか不思議な感覚でした。

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岩に点々とある白い部分(肉眼では本当に金色)が金。

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あとは何と言ってもワールドカップ!ちなみにワールドカップはスペイン語で「Copa Mundial(コパ ムンディアル)」です。コロンビア戦の勝利はかなりの快挙と言っても過言ではないと思われるほど、エクアドル人の反応を見ても思いました。試合はエクアドル時間の朝出勤前に開始。朝、街のどこかで流れていたと思われる中継放送から君が代が聴こえてきて、「あぁ、始まったんだな」と、なんとも贅沢な目覚めでした。そして部署に着くなり、やはり話題はワールドカップの話。本当はどこかで、もはや家で中継を見たかったけど、意外とそこは厳しい任地の労働習慣、部署内にとどまり、みんなで私のパソコンの結果速報を気にしながら、朝の一時を過ごしました。始業の時は1対1の同点だったのが気付くと2対1になっている。私がそれを報告すると、みんな信じられないといった雰囲気で、そして試合終了。無事勝利!おめでとう、日本。いろんな人から「日本勝ったね!」と言ってもらいました。もちろん私からもいろんな人に報告。「カガワ」という言葉が任地で使われる言葉で別の意味を持っていて、隣の部署の同僚との間でなぜか流行語になっています。とりあえず会うとその同僚には「カガワ」を連発されています。

それからそれから。日本人の試合終了後のごみ拾いはこちらでもかなり話題になっています。他の部署の同僚に「日本人はいつもあぁやって道でごみを拾ってるの?」と聞かれたので、「いつもではない、なぜならごみを捨てないから」と答えたら、「あ、なるほどなるほど笑。」といった感じでなぜか笑いも取れて、納得してもらえました。そう、こうやって感心はしてくれるんだけど、自分たちの行動にはつながらないところが、難しいところですが、そこはちょっと気楽に捉えておきます。あまり真面目に考えすぎても疲れるので。この辺りの話はまた次回以降で書けそうだったら書きます。

 学校での様子。環境や日本の話をする前に日本語を紹介しています。それをみんな書き取ってくれるようになりました。

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とまぁこんなかんじで、6月は過ぎていっています。そしていよいよ着任後1年を目途に行われる中間報告会というものが来たる8月に予定されています。そろそろ準備に入らないとなと思いつつ、報告できることがあるのか…という一抹の不安も漂いますが、がんばって準備しなければいけません。果たしてどんな報告会になるのか、おたのしみに。もちろんそれまでブログもゆるく更新していきます~。

任地の観光地「Guayacanes」という滝スポットを抜けると、鶏、蛙、リスが登場。

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任地で少し前に行われたキリスト教関係のお祭り。花火があがってきれいでした。

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