話のタネ

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 みんなの会話を聞いていると、だいたいよく話してるな~という話題。それは畑と生き物と自然の話。野菜や果物、鶏を育てたりするところをみんなloteやfincaと呼びますが、特にそこで〇〇を育てているんだよなんて話をするときの顔は、なんだかみんな本当に関心を持って、たのしそうに話しているかんじがします。また、fincaは田舎の方(街の中心付近ではなく、車で5分ほど走ったところからは田舎地域になる)にある大きめの農場を指すみたいです。ちなみに前にも書きましたが、ステイ先のママもloteを持っていて、そこでいろいろ育てながら、鶏も飼育しています。

部署には、salomon(サロモン)という同僚がいます。彼はchofer(チョフェール)と言って、運転手さん。市役所には何人かの運転手さんがいるけどサロモンは基本はうちの部署専属なので、よく会うし、その分彼の車に乗せてもらうことも多いです。ちなみに彼は私の任地配属のときに前のカウンターパート・オルランドと一緒に途中の空港まで迎えに来てくれた人。50代?で7人子どもがいて、その分孫もたくさんいます。ちなみに息子の一人は隣の都市ロハを中心にギタリストとしても活躍しているというなんだか異色な大家族というかんじで、彼の娘たちがステイ先の娘たちと仲良しなので、私も友達です。サロモンは今のところ私が知る中で、一番の自然好きかと思います。花とか山とか滝とかね。彼は家でもいろんな植物を育てています。前に処分場に出かけたときの帰り、前のカウンターパート・マヌエルも一緒に居たのですが、サロモンが迎えに来てくれて、「これは内緒だ!」と言いつつ、帰りがけに近くの滝を見に行きました。ただ彼らが見たかっただけというかんじの急ぎ足ツアーでしたが、滝を見ながら「きれいだ!」とサロモンとマヌエルは2人でほんとに興味深そうに話していました。車中でも道路脇の植物や木々を見ながらたのしそうに話します。ちなみにマヌエルも畑や花が大好きでサロモンとは共通の趣味仲間というかんじです。サロモンの話す様子を見ていると、言葉は細かくはわからないけど、ほんとに自然を「愛でる」というかんじが伝わってきてなんだかステキだなと思います。マヌエルもloteを持っていて、そこでスイカとかかぼちゃとかいろいろな野菜と果物を育てています。前に夜のポイ捨てパトロールのときに、畑で採ってきたというかぼちゃを自慢げに見せてくれたこともありました。ちなみに彼の畑にも一度お邪魔したことがあったけど、なっていたオレンジを採って私たちにくれました。

fincaの話とか、若者は興味ないのかな~とか思っても、意外と一緒になって話をしたり、そういう所で日々働いている人も。畑で採れたからと果物をくれたりもします。みんなの生活にいかに身近なことかがわかります。

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あとは自然になっている物を見つける力。エクアドルの中でもオリエンテと呼ばれる熱帯アマゾン気候の私の任地では、標高が高めの山岳地域に比べて、暖かいし、雨もよく降るので、いろいろな種類のフルーツが豊富にあって、たくさん採れます。私には全部同じように見える木も、「あれは〇〇。」「あれは◆◆。」と若者も含めてみんな知ってます。そしてそれを見つけるスピードも、それを収穫するスピードも速いです。私がぼーっと歩いているだけなのかもしれませんが、ここの人たちはこの点におけるアンテナがすごいです。

でも考えてみれば、自然においしいフルーツがなるってすごいな~と思います。そうやって自然に近くにできるおいしいものを小さい頃から食べる習慣があったら、そりゃ詳しくなるか。日本の都市で生活してきた私にはない知識や知恵がたくさんたくさん。

 少し前に任地に流れるサモラ川の対岸地域で開かれたキリスト教関係のお祭り。

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ミサのあとは、スポーツ大会。エクアドル人はこの手の運動会大好き。

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せっかくなので、日本にはないフルーツが任地はたくさんあるけど2つだけ紹介します。

一つ目は「zapote(サポテ)」。柿に似ている。任地ではそのまま食べるか、ステイ先では甘く煮て、牛乳と混ぜて、ミルクスープにしたりもしています。感じはかぼちゃのスープというかんじ。

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処分場の警備員さんをしている同僚のお家にたまたま入れてもらって、そこでいただいたサポテ。

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2つ目は「yarazo(ヤラソ)」。名前からは似つかないとってもおいしいフルーツ。私は大好きなフルーツです。

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皮と果肉の間に粘り気のある乳成分を含んでいて、切ったあとは手に糊がついたみたいにはがれなくなります。なので、切り方や食べ方を間違えると、口がふさがってしまうという少し注意が必要なフルーツですが、味はとってもおいしい。

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話は変わりますが、そういえば今回、マヌエルを「前のカウンターパート」と書きました。マヌエルはこれまで初代カウンターパートであるオルランドの後任となって、うちの部署で責任者として改革を起こそうと様々な取り組みをしてがんばって部署を引っ張っていました。しかし、まぁお給料事情が一番の問題となって、実は1ヵ月ほど前に責任者を自ら降りてしまったのです。ということで先月部署の責任者が変わり、同時に私のカウンターパートも変わりました。「またか・・・」というかんじで、2度目のカウンターパート変更。カウンターパート3代目。なかなかこんな話聞きません。いろいろ思う所はあるけど、思ってもしょうがないし、まぁあまりもう衝撃感もなかったです。私のカウンターパートは基本うちの部署の責任者を務める人になるので、カウンターパートである上司には必要な報告、お願い、質問、相談などしなければいけませんが、あとは私がやりたいことに関係のある人、もちろんこの際初代カウンターパートのオルランドも含めて、自由に動くのもありかなと考えています。もちろん許される範囲内で。そして新たなカウンターパートを一応紹介しておきます。名前は「Juan Carlos Tacuri(フアン・カルロス・タクリ)」。彼も市役所の総合開発局関係の部署での仕事が長いようで、ボランティアの存在を前任者時代から知っていました。私の言おうとしていることを最後まで聞こうとしてくれるので、その点は本当にありがたいし、人間的に信頼のおける人物だと思っています。2代目カウンターパートのマヌエルはいろいろと部署の仕事をがんばっていたし、部署の仕事も詳しかったけど、何より責任者時代はメラメラとマニフェストを起こすぞ的な姿勢がすごかったけど、それもあってあまりボランティアとする活動に関心もなく、私の考えは基本無視だったので、話すということ自体が難しかったけど、それに比べたら、今のフアン・カルロスとのほうが相談したり質問したりという時間が多くなっていることに驚きです。私にとっては良い環境の変化となっているのかもしれません。そしてこのマヌエルは現在、最終処分場における責任者として引き続き部署に関わっています。ただ部署全体の責任者としての役目を終えたというかんじです。なので最終処分場での許可が必要なことなどはマヌエルに確認することになるので、彼とも引き続き関係をつないでいく必要もあるけど。もちろんきっと初代のオルランドだったら、関係がある人へのつなぎまでいろいろやってくれて、というかんじだったとは思うし、限られた時間やどうしても語学の面で圧倒的ハンデを背負っているので、ボランティアにとってそういう環境に越したことはないけど、まぁこうなった以上これもこれでしょうがないです。ちなみに3代目のカウンターパートは少し中継ぎ感があって、彼はこれまでの仕事も引き続き継続しながらの兼任。忙しそうです。それでも私と話すときは私の話を聞こうと、彼自身が言おうとしていることもしっかり私に伝わるように話してくれます。

そんなこんなで、長期的に2つの部署の責任者を兼任するのは厳しいということで、市役所内では長期に担当できる人が上司として着任するだろうと言われています。当の本人も最初はそう言っていて、部署を2つ兼任するというのはまさに寝耳に水というか、「なんで俺が・・・」みたいな戸惑い感がありました。それでも結局まだ新しい人は着任しておらず、状況はいまだ不安定ですが、ホアンカルロスはとても良い人なので、彼と関われたことも良かったということで、引き続きがんばっていきます。

少し高台からの任地の眺め。この眺めは任地の中で都会の風景。少し離れると、もう田舎。夜は星がとってもきれいです。

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