ウマ

今回はタイトルのとおり、「ウマ」を紹介します。文字からでは何も想像つかないと思いますが、エクアドルの食べ物のひとつです。発音は日本の「馬」と同じではなく、ウにアクセント。正式名称は「uma」と書いてウマ。でもだいたいの人は「umiita」と書いて「ウミ―タ」と言ったりします。ウミ―タとは、ウマの愛称で、前にスペイン語のところで少し書きましたが、人や物への愛着を持ってかわいらしく言いたいときの言い方。ここでは、この愛着呼称を人に対してだけではなく、家とか紙とか生活の周りのほとんどすべての物に対してもこの変化形を使うのでかわいらしいというか私からするとおもしろいな~というかんじです。

どういう食べ物かというと、原材料はトウモロコシ。日本で目にする黄色い実のトウモロコシではなく、エクアドルには実が白色のトウモロコシもあって、その実を使います。まずトウモロコシの皮から剥いで、一粒一粒取り、その実をすべて濾す。

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そうすると、トウモロコシの実からも牛乳のような液体が出て、全体がドロドロのペースト状のものになる。

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それを塩、砂糖、バターで味付けしたあと、ひとつひとつもう一度とうもろこしの皮(葉)に流し込んで、包んで蒸かして完成。

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多少バターは使いますが、とうもろこしが原材料だから、パンよりは太らないかもと思っています。味わうと少し甘いかんじだけど、そもそも原材料に使うトウモロコシが白い実の品種のもので、このトウモロコシは日本で食べる黄色いトウモロコシのような風味は持っていません。スープとかにも入れることが多いのですが、ほんのり甘いかな~っていうくらいで、日本の黄色いトウモロコシのコーンの風味ほどは強くないです。塩と砂糖、バターの加減で塩味にしたり、少し甘めにしたり、あとは中にチーズを入れたりできます。朝ごはん、夜ごはん、おやつに食べる軽食というかんじです。この写真は朝だけど、夜ごはんに食べるときは私は野菜炒めとかを作って付け合わせて食べています。

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はじめてこのウミータを食べたのは、語学学校で滞在していたクエンカのホームステイ先のごはんで出してもらったとき。このときは、まさかの白ごはんとこのウミータの組み合わせで、どう頑張っても白ごはんと一緒には食べられなくて、完食できずに、ウミータの印象もあまり良くありませんでした。任地にやってきて、ここではごはんとセットで出ることはなくて、ウミータを食べる時は主食として食べ、付け合わせで半熟卵とかチーズとか玉ねぎと唐辛子のさっぱりするソース(salsa de aji)をかけたりして食べます。この食べ方が私には合っているらしく、任地に来てからというもの、ウミータを味わって食べることができるようになって、大好物になりました。クエンカで食べたときは、ごはんとセットだったということが大きかったのか、克服の兆しが見えないほど、もう食べたくないと思ってしまっていました。でも任地で出してもらって最初は断れずに少しずつ食べるようになって、作る工程を見ながら自家製のものを食べる機会があったといった理由からか、当初のイメージとは一転し、今ではなんと、とってもおいしく食べられるようになりました。日本にいる時からもともと食の好き嫌いがほぼなかったので、嫌いだった食べものが好きになるというこの経験自体が私には新鮮でおいしく食べられることになったことが今はなんだかうれしいです。

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一応黄色い実の日本でも見るトウモロコシもあって、日本同様茹でてふつうに食べます。この場合、食べ方はチーズを添えるのがエクアドル流ですが、私はトウモロコシだけ、もしくはこっちで買える醤油をつけて食べる方が好きです。

時々市役所にもこのウマを売る女性が来て、同僚の女性がその売りに来た女性からウマを買います。ある日、同僚女性がウマを買ったときに彼女の子どもも隣にいて、その子も「いい匂い~!!」って言って喜んでいました。その時のその子の目がキラキラ輝いて笑った顔はかなり印象深くて今でも覚えています。小さいころから慣れ親しんだ味はテンションあがるよね~と私も日本の食べ物を思い出しながら見ていました。

ウマとは別の話題になるけど、こういう風に女性職員の子どもが部署にいるということがここでは日常の光景です。最初私はびっくりしたんだけど、見ていて、すごく自然な流れでみんな部署に入ってくるので、いつからかこの光景にも慣れました。ヤンササには学校がいくつかあり、市役所のすぐとなりにもあります。エクアドルの学校は基本午前中いっぱい。お昼ごはんからは家に帰ります。宿題があるときは部署で宿題もします。親の家に帰っても親が不在という場合、たしかに親の職場に立ち寄るというのはまぁわからなくもない流れです。そもそも職場に小さい子がたくさんいるという光景は日本からするとイメージしにくいし、物理的にもいろいろ問題があると思うので、もちろん日本では無理ですが、ここでは、働くお母さんたちにとっては優しい環境がふつうにあります。ここの人からしたらこれが普通だから、きっとなんとも思ってないはず。日本人らしく「連れてきてもいいですか?」っていう感覚ではなく、「連れてきて何か問題ある?」的な感覚な気もします。この女性同僚の子どもたちとはけっこう仲良くなったり、周りの同僚たちも特に一番下の男の子のことはよくいじったりしてたのしんでます。この子が部署のパソコンを使ってテレビゲームをするんだけど、このときにこの子が興奮しながら発するスペイン語は分かりやすくて聞いていて単純におもしろくて理解しやすいです。よく顔を合わせる他の部署の女性職員の子どもたちとも仲良くなったりもできました。

ウマ以外にもまだまだ紹介したいおいしいエクアドルごはんがあるので、また紹介します。