新しい収集日と新メンバー

最近の活動と職場の様子について。10月にごみ収集日とその時間帯が変わったという話を前に書きました。しかし、新しい回収頻度は全くうまくいっていなくて、変更してからまだ1ヵ月しか経っていないけど、回収担当者からも、市役所内の他の部署からも、市民からもけっこう不満の声が届いています。そもそもこの変更は市役所の予算の関係もあり、カウンターパートがほぼ一人で変えたものっぽい。ちなみにカウンターパートはうちの課の長なのですが、不満の声が届いてもなんか他人ごとというかんじで対応を他の同僚に任せてあまり動いていませんでした。そんなこともあり、うちの課の雰囲気はあまり良くなくて、構図はカウンターパート対他の同僚というかんじ。2人の常勤の同僚は、今の環境に不満があり、他の部署に異動するために市長に異動申請を出すんだってカウンターパートに隠れて自分の環境を変えることばかり考えていて、その愚痴を私に言うという日々がここ最近は続いてました。これまで過ごしてきて、1人1人の様子を観察していましたが、まぁたしかに他の同僚がカウンターパートに対して不満を抱くというのもわからなくはないというのが私の客観的な意見です。前置きすると、私はボランティアとして1人1人と良い関係を築きたいなぁと思っています。それは活動のためでもあるし、一番は私が楽しく過ごしたいからです。他の同僚が異動してしまったらそれはそれでさみしいです。とは思いつつも、だからといって愚痴を言われても、敵対する人間関係の間に入るつもりもないです。これは一応私なりに悩んでボランティア調整員に相談してみた結果と、前任者の報告書にボランティアは客観的に見ることが必要とされていると書いてあり、私は最近この言葉をいつも心にとめて、とりあえずみんなの様子を見ることにしました。それに人間関係のことなんて、日本でだってなかなか難しいのに、言葉がうまく話せない今、うまく双方の間に入るなんてまだできないのでしません。ボランティアはそういう立ち位置ではないと思います。でも、今の回収状況がうまくいってないのは私でも明らかにわかるし、カウンターパートももう少し実際に回収している担当者の意見を受け入れればいいのになぁ、予算面で受け入れられないなら意見を聞くという姿勢だけでも見せて真摯に対応したらいいのになぁと思いながらずっと見てました。回収頻度を変えた結果、日曜日の回収にそのしわ寄せが来ていると毎週月曜朝に、Luisという収集車の運転手である同僚が怒る!というルーティンができています。このLuisは回収頻度の見直しについて一番熱く主張(これまで主張していたけど最近はもうあきらめモードな様子も見受けられる)。彼は元々が不満があるとストレートに熱く強く伝える性格のようですが、収集車のうしろに捕まって走って回収するrecolectorの仕事がとっても大変だということもちゃんと理解してくれている人だし、まだ彼の言っていることすべてを細かく理解はできていませんが、荒々しく敵対心むき出しで話す中でもきっと正論を主張しているんだろうなとなんとなく感じていました。問題の日曜の収集車にまだ乗ったことがなかった私は、前々から日曜の様子も見ないとなぁと思っていたのと夜の回収も見たかったので、この前の日曜日にこっそりLuisとrecolectorにお願いして乗せてもらいました。14:00から始まって、終わったのは21:00。その間トイレと水分補給以外は休憩はなし。しかもこの日は大雨で全身びしょ濡れになりながらの回収。

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一瞬の隙を見て、雨の中水を飲みます。ほんとに大変な仕事です。初めて夜の回収を見たけど、収集車のうしろに夜間用のランプを付けてくれと私が着任してすぐのときにLuisが申請して、最近やっとカウンターパートが動いてランプがきました。でも、それも実用的なものではなく、夜運転しながらLuisは怒ってました。たしかにランプを点けてもうしろの回収状況はほぼ見えなかった。特に大通りから一本中に入るとさらに視界が悪い。回収担当者の手元だけを照らすので、運転手のLuisから担当者の動きを照らすものではなく、危険だし、効率も悪くなりそう。これだって、事前に一緒に夜間の収集を見て、Luisとどういうランプを買うか相談すればもう少し良い結果になったんだろうけど、たぶんそれはしてないんだろうなぁ。f:id:reikomiyahara:20171031145644j:plain

そんな中、1週間前からうちの課に新メンバーがやって来ました。彼はEdwin。彼の話を少し挟むと、26歳既婚者、2人の子どもがいます。上の子は7歳と言っていたから、ラテンアメリカ文化、結婚とは別で、とにかく出産や子どもを設けるのが早い。これまではとなりの市の中国が行う公共プロジェクトの会社で中国人と働いていたらしく、中国人の基本的な性質や、日本と中国が違う国だということを知ってくれていました。 彼はinspectorという立場で市役所に働きに来ています。奥さんも市役所勤務。inspectorというのは直訳すると「検査官」。うちの部署で、ごみの分別と市内のごみ回収に問題がないか、市民がちゃんとルールを守ってごみ処理を行っているかパトロールするみたいな立ち位置の人。これまで接した中では、仕事に対して真面目で、日本人の私から見て、行動が理解しやすくて、日本人の感覚に近いのか、彼の行動には共感できます。各家庭にはシールになっているごみの分別表を配っているのですが、それを壁に貼ったあと、剥がしたシールのごみを自分で市役所に持ち帰るところは一番共感できました。カウンターパートや他の同僚は、家の脇に置いてある人の家のごみ箱に断りなく勝手に捨てます。これはごみ箱に捨てているからいいと言ったらそれまでだし、ただの習慣の違いなのかもしれません。でも私は断りなく人の家のものに捨てたくはなかったので、これまでも一人持ち帰っていたけど、Edwinも持ち帰っているのを見て驚きました。今はカウンターパートや他の同僚はあまり家を1軒ずつ回って説明する活動は行っておらず、代わりにEdwinが行きます。なので行けるときは私も一緒に行かせてもらっていますが、彼の説明の仕方を聞くのも勉強になります。そして彼もまた、これまで1週間市内の様子を見て、回収頻度には見直す必要があると考えているようです。もちろんinspectorという立場で数日前から来た人と長年市役所に勤めているカウンターパート、そのカウンターパートとこれまで働いてきた人たちとでは立場も考えも積み重ねてきたものが違うと思うので、私がとやかく言える話でもないとは思っているから一概にどれがいいとかは判断しませんが、必要なのはまずは回収日を見直すこととrecolectorの働き方を少しでも改善すること。課内においてはそれが第一です。とは言え、納得させる言葉ですべてを説明するのはまだ難しいので、今すぐに私がどうこうできるものではないのですが、カウンターパートや他の同僚たちに、ごみ回収の実情を知る必要があってそのために収集車に乗るという私の考えを行動で示すことはできるのかなぁと、できるだけ今は収集車に乗ろうと思っています。この街のごみ収集方法に関しては、私の要請には全くなかったことで、たぶんカウンターパートもjicaボランティアには関係のない部分と思っています。だから初めはごみ収集車に乗るって言ったときに面白がられたり、今でも不思議がられているのかもしれないけど、収集車に乗ることとと、家々を回るのについていけば市民の声も聞けるので、要請外のこととは思わずに、継続してわたしも様子を見守っていこうと思います。あと、先週の金曜日には各家庭を初めて1人で回りました。細かいところまでの説明はまだ至らないところもあって、必要最低限の説明にとどまってますが、それでも大きな進歩だと自分に言い聞かせて私も自分で少しずつやっていきます。

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