エクアドル

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 南米大陸にあるエクアドルという国にやってきて、もうすぐ4ヵ月。これまで任地のことは書きましたが、あまりこの国自体のことはそういえば書いていなかったなぁと思ったので、少し紹介します。まず国の名前、正式名称はエクアドル共和国エクアドルは「Ecuador=赤道」という意味。これはけっこう有名みたいですが、私は派遣が決まるまで知りませんでした。人口は1400万人ほど、面積は日本の4分の3ほどで、本州と九州を合わせた位らしい。

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上はコロンビア、下はペルーに挟まれた南米大陸の北西に位置する国です。

公用語スペイン語ですが、アンデス山脈沿いに広がる地域(シエラ)ではケチュア語という現地語がかなり使われていたり、地名にもたくさん残っていたり。実際、任地でも生活しているとケチュア語の単語がたま〜に出てきます。

国旗の中央には翼を広げたコンドルが盾を掴む構図になっている国章が描かれていて、その国章の中には南米最高峰のチンボラソ山、グアヤス川も。この国章を入れると世界の国旗の中でも最も色数が多い国旗と言われているそうです。これも私はエクアドルに来るまで知りませんでした。この前ごみ収集車に乗せてもらってたときにたまたま任地の中にある日本の大使館の援助で建設された橋を渡りました。そこに日本とエクアドルの国旗が描かれていて、同僚と国旗の話になりました。同僚は誇らしげに「エクアドルの国旗もとっても美しいだろ?」なんて言ってました。これが国旗の中央にある国章。

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通過は米ドル。以前はスクレという自国通貨でしたが、2000年から経済政策の一環で切り替わったそう。原油が輸出品の約5割を占め、他は農産品(バナナ、カカオ、コーヒー)やエビなどの水産品という一次産業品です。なので原油価格の下落にも左右され、最近は経済があまり良くなく、一次産業からの移行支援も入っています。経済の発展途中でもあるこの国の首都キトの郊外には日本の高度経済成長期のような団地式の建物も建っていて、なんとなく、人々の生活を見ていても、そんなかんじがします。でも私がいる任地の中の農村部のような所は昔ながらの生活だったり、山間部のインディヘナが住む地域では貧しかったり、まだまだ開発が遅れている地域もあります。ちなみにエクアドルに協力隊派遣が始まったのは私が生まれた1990年から。協力隊の派遣ヒストリーとしては他の国々、特に他のラテンアメリカ諸国に比べるとまだまだ浅い方らしいです。

歴史的にはすごく簡単にするとインカ帝国→スペインの植民地→ペルー領→現在のエクアドルという経緯のようで、ニュースの国際コーナーだとヨーロッパ側から世界を一周するようにニュースが始まるので、一番にスペインのことが流れたりもします。

現在の大統領はレニン・モレノ大統領。今年2017年5月に10年続いた前任者から交代しました。彼は強盗に遭ったときに負傷した後遺症で常に車いすが必要で、彼が当選したときは、「車いすの大統領誕生」と日本でも少し話題になっていました。

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これまでも自身で障がい者のための活動をしてきたそうです。モレノ大統領は私の周りでは支持率高そう。反対についこの間、副大統領が汚職疑惑で逮捕されるという事件も起きていて、これまでも政治の汚職は多い国の一つのようです。

人種は、インディヘナメスティーソインディヘナと白人の混血)が大多数ですが、アフリカ系のエクアドル人の人も思ったよりいます。人々はみな基本的に親切。エクアドルの中の「シエラ(アンデス山脈沿い、寒い、山)」「コスタ(太平洋沿い、暑い)」「オリエンテ(もしくはアマゾニコ、熱帯気候、暑くて雨も多い。私の任地が属する地方。)「ガラパゴス世界遺産の島)」の4つの気候区域によっても人々の感じは随分違うように感じます。あったかい所はより人々も陽気で、明るくて開放的だけど、寒い所は他の地域に比べ、少し表情や雰囲気が大人しいイメージ。任地では初対面でも友達だったかのようなテンションで話すので、そこはやはり外国風で、すれ違い様に知らない人にも挨拶します。たぶん今後はもっとエクアドル人の性質、性格について知っていって、いろいろ感じることも多くなると思うので、このあたりはまたその都度書きたいことがあったら書きます。

首都や大きな都市は都会ですが、それでもこの国はとっても自然が豊かです。有名なのは世界遺産ガラパゴス諸島だけど、それだけではなく、アンデス山脈の山々、太平洋沿いの海、アマゾン地域の緑や生態系など一つの国でここまでバリエーション豊かで、気候も様々で、来てみてとても驚きました。正直来るまでは赤道直下の暑いだけの国かと思っていました。気温も東西南北で同じ時期に日本の冬と夏ほど違うし、標高もまったく違うので、それぞれの土地の風土に合った文化もまったく異なります。

これから、任地だけに限らず、エクアドルという国自体の雰囲気や文化も伝えられるようにいろいろ見ていきたいです。

写真は2017年度1次隊同期として同じタイミングで訓練を受けて、この国にやってきた同期たち。10月あたまの3ヵ月オリエンテーションのときに撮影。コミュニティ開発1人・幼児教育1人・小学校教育3人・環境教育4人の計9人。今はみんなバラバラの任地に配属されてそれぞれがんばっています。

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下の写真は、この前上京した機内でお世話になった人とその家族。その後お昼ごはんに招待してもらいました。素敵な家族でした。¡Gracias!

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スペイン語

 

今日でエクアドルにやってきて、112日目。今回はこっちに来て初めて聞いた、スペイン語のおもしろいなぁと思ったことについて。
1
つ目は、相手に呼びかけるとき。これはいくつかパターンがありますが、例えば…

mi hijo」「mi hija」。「ミー イホ」「ミー イハ」と読みます。意味は「私の息子」「私の娘」。でもこれは自分の子どもだけに使うのではなく、自分よりも年下で、友達じゃないけど、知り合い以上、もしくは初対面の子どもたちに優しく呼びかけるためにも使ったりします。私も職場で他の部署の年上の女性職員や会ったことがある家族の友達とかに「mi hija!」と呼んでもらうことがあったり。活動で家を訪問したときに同僚は、お留守番している初対面の子どもにこう呼びかけたりしてます。日本語の文化に比べたらすごい近い距離に感じるけど、これもおもしろい距離感です。初対面でさえ、息子娘という言葉を使うくらいなので、自分の子どものときは「mi vida:ミー ビダ」=私の人生、「mi amor:ミー アモール」=私の愛、「mi corazón:ミー コラソン」=私の心(直訳)って言ったりしてる。もちろん自分の子どもに対してだけじゃなくて、夫婦間や恋人同士でも使うみたいで、やはりそこはラテンアメリカ、情熱的な表現。
2
つ目は、言葉の語尾を少し変えることで、相手に優しく愛らしい気持ちを込めて伝えたいときに使います。これは名詞、形容詞、人の名前にも使います。例えば
「今」という単語はスペイン語で「ahora」と書いて、「アオラ」と読みます。でも会話の中で出てくるのは「ahorita:アオリータ」という言葉。はじめは同じものを指す単語だとはわからないし、変化させる意味も不明だったけど、日本語だと、「今ね、」とか「あのね、今」みたいな口語的な意味合いがあるのかなぁと勝手に解釈して、私も日本語では同じようなことしてるんだろうなぁと思って、納得することにしました。あとは「名前」は「nombre」。「ノンブレ」と読みますが、「nombresito:ノンブレシート」って言ってたり。「署名、サイン」を「firma:フィルマ」と言いますが、「firmita:フィルミータ」と言ってる。これらも変化させることで「お名前」「ご署名」みたいに丁寧でかわいらしい印象を持たせることができると、同僚が使っている場面から解釈。形容詞だと「濡れる」を「mojado:モハード」と言いますが、これを可愛らしい感じにして伝えたいとき、雰囲気的には「雨で濡れちゃったよ〜」みたいに言いたいときに「mojadito:モハディート」と語尾を変えます。
人の名前だと、「Pablo:パブロ」のことを「Pablito:パブリート」って言ったり、「Manuel:マヌエル」のことを「Manuelito:マヌエリート」とか。ちなみに私は時々「Rekito:レキート」って呼ばれます。これは相手にあなたのことを親しく感じているよという優しい気持ちの表れでもある(と私は解釈している)ので、こう呼ばれるとけっこううれしいです。
あとは「お母さん」は「mamá:ママ」ですが、これを変化させると「mamí:マミー」もしくは「mamita:マミータ」。「お父さん」は「papá:パパ」ですが、「papí:パピー」もしくは「papito:パピート」と変化させます。
 3
つ目は、形容詞の語尾を変化させて、程度がすごいことを表現します。日本語だと「超」をつける感じに近いのかなぁ。
(値段が)高い」は「caro:カロ」。これを「超高い!」みたいに表現したいときは「carissimo:カリッシモ」。逆に「(値段が)安い」は「barato:バラット」ですが、これを「超安い!なんて安いの!」みたいな感じを出すときは「barattisimo:バラッティッシモ」と言います。教科書や辞書には載ってないので、聞き取れたときにその都度変化形も覚えるしか今のところは方法がありません。
こんな感じで、まだまだ「???」なことばかりですが、この変化は可愛らしい感じがして、私はなんだかんだ好きです。
最近はなんとなくみんなが話している内容がわかる場面がほんの少しずつ増えたけど、じゃぁそれに対して自分はこう思うとか、聞きたいこと伝えたいことがあるのに言葉にできない場面もその分増えました。言葉にしないと上達もしないとわかってはいるけど、なかなか難しいです。焦らずに、少しずつ。
 
そんなこんなで、スペイン語はまだまだですが、カウンターパートがすごい日本語を覚えたがってくれていること、同僚や他の部署の知り合いに時々日本語教えてくれと言われていたので、部署で日本語教室始めました。教室と言ってもみんな仕事が始まる前か通りがかりに部署に立ち寄るかんじなので、雑談と、今の私の語学力でも話の種になるように。その日の日本語を3つだけ書いて、毎日日めくりにしていくファイルを置くというだけの簡単なものです。みんな意外に見てくれて、発音してくれたり。ごみ回収に出かけていく前に見てくれたり。覚えてくれなくてもそれだけで、私は楽しいので、置かないよりはいいかと思って、とりあえず続けてみようと思います。

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集会

9月末に、部署で臨時の職場集会が開催されました。集会の趣旨は10月から変わるごみ収集スケジュールの変更の周知と先日各家庭を回って出てきた要望や不満の声の共有といったところ。参加者は廃棄物管理課の人たち(街の清掃担当者、ごみ収集担当者、最終処分場の常駐者)と、市役所の調整役のような立ち位置の人。もちろん、全員に連絡が行き届いてなかったりして、最初はまばらだったりしましたが、それでも最終的にはほぼみんな揃って、いろいろ意見がたくさん出ていました。しかもみんなの主張が終わらず、12時を過ぎて、お昼休みを少し延長。こっちの話し合うための会議や集会は、これまで私が出させてもらった中では、100%の確率で延長しまくります。主催者側の話がいったん終了すると、様子を見ながら、少しずつみんな意見を言い出して、そのあとどんどんみんな手をあげて自分の意見を言う。はじめはみんな熱心!とか思ったけど、たぶん単に、みんな話すこと、自分の思ったことを人前で話すこと、自分の話を聞いてもらえる場が基本的に好きなんだろうなと感じます。

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先週も会議がありました。これは、日本でいう町内会長のような人たちが15人ほど集まって廃棄物管理課からのお話を聞いてもらうというもの。内容は前半がとなりの県から国立大学チームがきて、環境意識についてのお話、後半が新しいごみ回収スケジュールについての周知。15人ほどといってもたぶん全員ではない。前日までに各町内会長にこの会議があるから来てねっていう案内をしに回っていたけど、これも全部歩いて現在の町内会長が誰なのかを探すところから始まるので、全然終わりませんでした。同僚と2時間かけて探してやっと1人目の町内会長に出会えたくらい。町内会長の名簿みたいのがあったらラクなのに~って思ったけど、太陽が昇って沈むようにメンバーは変わっていくから難しいよみたいなこと言われた気がする。

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この会議も結局お昼までのはずが1時間くらい延長。特に後半戦はみんなどんどん手を挙げて意見を言います。これ全部理解できたらもっといろんなことを感じれるんだろうな~と思いながら、うしろでお腹を空かせて傍聴。やっぱり新しい回収スケジュールのところは市役所内部でさえも少し疑問の声があるのかなんだか変な不穏な空気が漂っています。言葉が通じなくても、そういう雰囲気って感じ取れるものなんだな~とか思ったり。

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この日の午後は市役所内に分別ごみ箱を設置するため、各部署に必要なごみ箱の数を確認。各部署に今いくつごみ箱を持っているか聞いて回りました。みんな親切に教えてくれましたが、やっぱり普段入りなれない部署に一人で入っていって話すのは緊張もしたし、疲れた。とは言え、早いうちに本格的に分別を始めたいし、カウンターパートもやる気になってくれているので、私もゆっくりとできることはがんばります。

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赤道博物館の敷地内にあった世界の都市までの距離を表すもの。東京もありました。

2カ月ぶりの首都

任国到着3ヵ月オリエンテーションのため、9月30日から首都に上がっていました。隊員の中でも一番首都から遠い私は、ヤンササ(任地)↔サモラ(任地がある県の州都)↔ロハ(隣の県の州都)↔カタマヨ(空港がある街)↔キト(首都)の順で移動。朝、ヤンササのバスターミナルでバスを待っていると、たまたまごみ収集車で土曜日のごみを収集する同僚に遭遇できたり、家からバスターミナルに向かう途中も他の同僚に会ったり、家族が車で通り過ぎたり、まだまだ慣れない外国人の私にとっては過ごしやすい規模の街だなぁと思いつつ、ヤンササからカタマヨまではバスを乗り継ぎ、カタマヨからキトは飛行機。カタマヨで活動する同期隊員と空港でおちあって、キトへ。今回は初めての上京だったので、週末にロハで過ごすカウンターパートにロハでの乗り継ぎを案内してもらいつつ、お家でお昼ごはんをごちそうになったりもしました。今回のオリエンテーションではこれから定期的に提出する報告書についてや活動に利用できる現地業務費の申請方法、大使館の草の根支援の申請方法など、活動についてがほとんど。これからどんどん活動を本格化させていかないとなぁという思いが強くなって少し焦るけど、だからと言ってすぐに何かができる訳でもなく、モチベーションの持ち方が難しいところではあります。

首都滞在中のお休みにはキトからバスで2時間ほどのオタバロという街を少しだけ観光。

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エクアドル派遣が決まってからずっと行きたかった街。インディヘナオタバロ族が民族衣装を着て住んでいる伝統的な街で女性たちはみんな、民族衣装を着ていてそれを見るだけでかわいい。男性は黒い髪を伸ばして、うしろで三つ編みをするのがインディヘナスタイル。今回はあまりじっくり見れなかったので、ここには同期隊員もいるし、また次回ちゃんと観光しに来ようと思います。

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標高があまり高くない任地での生活に慣れていると、標高2800mのキトに上がると時々息がしづらかったり、具合が悪くなるほどではないけど、体調も明らかに変化します。4日の夕方の便でカタマヨに向けてキトから出発したものの、悪天候で着陸できず、グアヤキルというエクアドル最大の街にある空港に一旦行き、その日はそこから結局キトに戻ることに。カタマヨに着陸できない案内が機内に流れたときは一瞬ヒヤッとしたけど、まわりの席のエクアドル人の人がとても愉快な人たちだったので、なぜか機内で私の列だけ笑って盛り上がるという光景になり、なんだかんだそれも楽しかったです。機内でたまたま隣だったキト市役所に務める女性と少しお話して、振替の手続きやキトでのタクシーの手配を一緒にしたけど、結局、振替の飛行機の予約がうまくいかずに、3日ほど首都に延長滞在することに。なのでこの期間を利用して、ついに行きたかった赤道に行きました。黄色い線がある公園は博物館併設の観光用。赤い線が真の赤道。

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他にも、初めて会う先輩隊員やちょうど到着した次の隊次の後輩たちにも少し会えたし、任地に帰るのは遅くなってしまったけど、これはこれでよかったと思うことにします。そしてやっとの思いで8日の夜に任地に帰還。やはり遠い。

任地から上がると、キトの街はおしゃれなお店もたくさんあるし、任地では買えない日本食を作るのに必要なものも揃う。でも人も車もビルもいっぱいで、治安も良くないのでさらに気も張って、物価も高いです。キト隊員の人にとってはきっと快適なんだろうなと思いつつも、任地のゆったりしたかんじと暖かい気候とか、ステイ先の家族とか、職場の仲間たちのことが懐かしくもなったり。都会は、住み慣れた日本の安全な都会がいいなと、余計に日本が恋しくなったりもしました。f:id:reikomiyahara:20171011124408j:plain

キトで食べた韓国料理にみんなで感動。久しぶりのごま油風味。おいしかった〜。また首都に上がったら絶対食べよう。

もうすぐ3か月☺

通勤に使っている道を勝手に紹介。と言っても家から市役所までは徒歩5分もかからないです。勤務時間中でもちょっと忘れ物取りに帰れる距離です。

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いつも通る道は2種類あります。ひとつは屋根がついている部分が多いので、雨の日や日差しが強いときなどはよく通っています。

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写真の5階建ての建物が市役所です。ちなみにわたしがいるのは2階。この通りが任地で一番の大通り。街の中心の道です。
こっちのルートには途中で露店販売をしているおじいさんがいて、毎日通るうちに挨拶するようになりました。数日間通らなかったら、この前久しぶりに通ったとき「最近見かけなかったからどうしたのかと思ったよ~」なんて言ってくれてうれしかったです。今度名前を聞こう。

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 話は変わり、先週、minga(ミンガ)と呼ばれている街の清掃活動に参加しました。普段は毎日街に落ちるごみ(中心部や大通り沿いのみ)を拾う作業を主な仕事とする同僚が何人かいますが、今回その人たちが集まってみんなで大規模な掃き掃除をするみたいな内容でした。2か月に1回ずつくらい開催されるような様子。私もいれて全部で10人ほど。2日間にわたって。大きな市場が開催される場所のあたりからバスターミナルまでの大通り沿いと、そこから病院に続く道。大通り沿いは道の真ん中に溜まる砂や砂利を掃いて取り除く作業。翌日は大通りの反対側と病院方面まで。これらの道は舗装もされています。

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大通りを掃いていると、市役所の知り合いやごみ収集車の同僚、ステイ先の家族がトラックや車で通って、手を振ってくれたり、クラクションで合図してくれたり。そんな中、途中から私はどうしても砂より歩道に落ちるプラスチックのごみやお菓子のごみが気になったのと、砂を見続けるのも見飽きたので、歩道脇の草むらに落ちてるプラスチックごみも1人で勝手に集めてました。もちろん1人ではすべて集めるのは無理だし、どうにも手がつけられないほどの場所もあったけど。

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明日は10月1日。ごみの回収スケジュールが変わる日です。ほんとは任地で様子を見たかったけど、来週、首都の事務所で到着後3か月オリエンテーションがあるため、明日首都に向けて出発します。久しぶりに同期隊員にも会えます。エクアドルに着いて3か月。到着した頃や任地に着いてすぐは、3か月オリなんてまだまだ先…と思っていたけど、最近は毎日どんどん早く過ぎていきます。 

9月の活動

ここ2~3週間ほどの活動について。

まずは先週から始まったお宅訪問活動。今のごみ回収スケジュールが少し変わるため、そのアナウンス(新スケジュールと分別表のシールを渡す)と3種類のごみ箱に分別もちゃんとしてね。っていうお願いがその趣旨。同僚とお手伝いに来てくれてる大学生2人も入れて計6人、それぞれ2人1組になって、3組に分かれて回ります。大きい街ではないとは言え、草むらをかき分けたり、砂利道を歩きながら家に入って、飛んでくるのは早いスペイン語だけで、吠える犬(狂犬病もこわい…)もたくさんで、家を1軒ずつ回るのはけっこう疲れた…というのが一番の感想です。

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わたしはカウンターパートのオルランドと2人で街の一番北側から中心地にだんだん向かって下りてくるルート。中心地以外はまだまだ田舎と呼ばれる区域(と言っても中心地から車で10分ほど)で、家も暮らしぶりも中心地とは違います。説明は、①ごみ収集のスケジュールが変わるよ②3色の分別用ごみ箱持ってる?(持ってなかったら市役所で買えるから買ってね)③持ってない場合、今ごみはどうしてるの?④持ってる場合は分別ちゃんとよろしくね…と、少しずつ話が広がっていく流れです。ごみ収集車に乗ってると、家の前に出された所定のごみ箱を回収して回っているので、ごみ箱を持っている家庭がけっこう多いなぁと勝手に驚いていたけど、間違いでした。中心地から離れるほどまだまだごみ箱に捨てるという概念がうすく、生ごみは家の庭や裏の草むらに、その他のごみは庭で燃やすということをしている家庭が多かった。生ごみは最悪時間が経てば土に還りますが、それでも土に還るまでは虫が湧いたり犬が荒らしたりして、生活環境的に良くなかったり、その他のプラスチックなどのごみを燃やすのはもっと環境にも健康にも良くないです。その他のごみも家の周りにそのまま捨てられてることも多い(たぶん捨ててるという意識ではなく、不要なものだからその辺にポイッてする感覚なのかなぁ)。生ごみを庭に捨てる家庭にはコンポストという堆肥化システムの家庭向けのものがあるので、その導入の検討(無料)をお願いして、その他のごみ(ここではリサイクルの可否によって2種類に分けられている)はそれぞれごみ箱を買って、燃やさずにごみ箱で収集に出してねというお願いをします。説明をすると、そもそもここまでごみ収集車が来てないんだけどなんで?とか、来るとしてもすごい遅いからもっと早く来てほしいわ、とか、ごみ箱買わなきゃいけないの?そんなお金ない、または買いたくない。燃やすことの何が悪いの?などなどいろいろ言っていた様子。やはりごみ収集車が来ないとか時間が違うとか、このあたりの意見は収集車に乗りながら感じていた部分だったので、そうだよなぁってかんじ。日本みたいな収集場は無く、それぞれ家の前に点々と出されるごみ箱を一つ一つ回収して回るので、見落とさないようにするのは回収する側にとっても大変。収集車の運転手さんは3人いて、曜日によって交代制。それぞれ1人の中では決まった個人的なルートがあるようですが、3人の回り方を1つのルートとして揃えることはしていない様子だし、大きな収集車で、細い脇道にごみ箱が置いてあっても見過ごして通り過ぎちゃうことだってあるんだろうなぁ…と感じてました。このルートに関しては少し何かできないかなぁとは思っているものの、今はまだ様子を見ます。あとは、ごみ箱を買ってほしいというお願いはお金が絡むのでみんなシビア。明らかに嫌な顔する人、そんなお金ないと怒る人もいました(たしかに住民からしたら1個19ドルのごみ箱は高いんじゃないかなぁと思う、他の市では無料で配布している所もあるらしく、オルランドに無料で配布できないの?って聞いたら、無理無理って流された。この辺は市の財政力の話だし、ボランティアが一人でどうにかできる問題ではないのでいま私が悩んでも仕方ありません)。あとは今まで燃やしてるんだからそれでいいでしょっていうかんじで聞かない人とか。もちろん中には、買わなきゃいけないなら、今度市役所に行くねと言ってくれる人もいます。たいていはけっこう積極的に聞いてくれるし、少し怒っている雰囲気を出してた人も、最後はここの挨拶である握手と「またね」っていう言葉と笑顔でお別れするのでやはり人当たりのすてきな街です。何回かに1回はオルランドから「次説明よろしく」と振られるので、タジタジになりながらも、メモした台本片手に読みながら説明。そのあと色々突っ込まれたり、少し不機嫌な人とかに当たって、何言ってるのこの人みたいな目で見られて聞いてない様子だと私もキャパオーバーなので、オルランドにバトンタッチ。その1回でどっと疲れがでます。中心部に近づくほど、みんなごみ箱持ってたり、あそこの道がいつも汚いんだとか、ごみに対する意識が少しずつ高まっていくのを感じました。昼間に回るから仕事で不在の家も多く、そういう家には分別表の紙をパラっと門の中に落とすだけ。そもそもこのままどっか飛んでいったらごみになるじゃん(オルランドは全然気にしてない)って思ったり。回り漏れてる家もけっこうありそうだし、明らかに説明しきれてない感が否めない部分もあるけど、でもいろいろな人の生活環境が見れて、この土地のことをさらに知る機会としては、私にとってすごく貴重な経験でした。

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市役所に戻って、なんとなく撮った写真を眺めてたら、今回それぞれのごみの収集曜日も変わるのですが、いまのごみ収集車に大きくこれまでの回収曜日も書かれていることに気づく。慌てて、オルランドに、収集車の曜日を新しく修正しなくていいの?って聞いたら、「あ!修正しなきゃね」ってなって、シールを注文しようって言ってたけど、10月1日までに届くのかは謎。届くといいなぁ。
他には、これだけ分別がんばろうって言ってるにも関わらず、市民がたくさん訪れる市役所内の分別が一切なかったので、市役所内に分別BOX置くのはどう?って聞いたら、市長に申請しよう!ってオルランドが言ってくれたので、その申請書を作成してみたり…みんなと挨拶、部署で雑談したり…となりの部署のカルロスに日本語教えたり…とかしながら、日々過ごしています。
 

エクアドルのごはん

毎日任地で食べているごはんのこと。エクアドルの食習慣は、朝と夜は軽め、お昼はしっかりというかんじ。朝は果物(パパイヤがとてもおいしい)とパン(チーズ挟んだりする、このチーズもオリエンテ地域独自のものがあり、おいしい)とかシリアルとか、イモや甘くないバナナを炒めたようなものなどを日々ローテーションします。飲み物はコーヒーor100%のフルーツジュース(各家庭でしぼって作るのが一般的)、前回紹介したチョコラテとか。

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お昼は、初めにスープ、スープはじゃがいもや豆など具だくさん。その次におかずとお米、そのほか豆や野菜や揚げバナナなどを添えて一つのプレートにしたメインプレート、100%のフルーツジュース。おかずはお肉(一番は鶏肉、鶏肉めちゃくちゃ食べる。次に牛肉。たま~にお魚、お魚は揚げる)写真にもあるように必ずスープにはアボカドを一緒に食べている。私はたまにだけ。

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このチャーハンのようなごはんは、エクアドルでお誕生日のときに食べる伝統的なごはんらしいです。みんなはこれにケチャップかけてよく食べてるけど十分塩味があるので私はそのまま食べます。

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夜はお昼ご飯の残りなどを使って簡単に済ませます。ステイ先の家族は私が日本人3人目だからなのもあり、エクアドル人ほど量も食べないし、こっちの甘いものを好まないことを知ってくれています。私は好き嫌いはないので、少し塩辛いかなと感じることもあるけど、だいたいおいしく食べています。ジュースやお菓子で甘いものは遠慮するときもあるけど。

そして塩分糖分油分の摂取量は全体的に多いと思います。主食はお米ですが、タイ米のようなパラパラしたお米で、炊き方も塩(家庭によっては油やパクチー)を入れて炊いています。そのため、すでにお米に塩気がある。おかずも日本食に比べたらもちろん塩気が強いです。だから甘いものが欲しくなるのか、デザートやコーヒー、紅茶、ジュース、ヨーグルト、アイスなどの糖分使用量も圧倒的に日本より多い。たぶんこれは日本以外の外国どこにも言えることかもしれません。他の国の同期隊員の話を聞いても砂糖摂取量については半端ないらしい。「砂糖無し!」というのをスペイン語で「sin azúcar」(=シン アスーカルと言う)と言いますが、エクアドルに来てから、何度声を大にして「シン アスーカル」を連呼したことか。そもそも砂糖無しを置いているお店も少ないので、今のステイ先で「砂糖なしのほうが好きでしょ」って甘すぎないフレッシュジュースや無糖のコーヒーが出てきたときは心から感動しました。先輩隊員が日本人の好みを植え付けてくれたおかげです。甘いお菓子やデザートは食べきれない、というか二口目から食べられない。任地でPanela(パネラ)というこちらの砂糖菓子を作っている工場を見に行ったときに、少し試食させてもらったけど、めちゃくちゃ甘かった。cañaという日本でいうさとうきびから作られたものなので、自然の甘味とはいえ、最初の一口以外は辛かったな。一緒にいたカウンターパートはパクパク食べてて驚愕。写真の1本1本がcaña。それをドロドロとしたジュースのような感じで煮詰めて、ブロックごとに固める。

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あとは食べる量の多さの割には野菜も少なめ。語学学校滞在中、クエンカでの1ヵ月のステイ先では野菜はほぼ食べなかった。そこでは自炊の交渉もしていなかったので、自分で果物食べたり、少ない外食(2~3ドルでしっかりとしたお昼ご飯が食べられる)で野菜が食べられるお店をみんなで探したりして、少し大変でした。でも今のステイ先は一般的なエクアドルの家庭より野菜を好む傾向なのもあるとは思うけど、野菜も出してくれるので、ありがたいです。

主食であるお米の他にはイモ類やバナナ類もたくさん食べます。日本にはないイモや緑のバナナ(甘くない)もあります。お米を食べつつ、イモ類やバナナ類が添えられてきたときはお米の量をできるだけ少なめに調節してます。ちなみにイモ類の中ではyucaという白いイモが私はお気に入りです。

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食感はさつまいものような感じで、ほぼ味はないのですが、よく味わうとほんのり甘いっていうかんじでここでは少ないやさしい味がする食材です。これは茹でたり、揚げたりして付け合わせだったり、スープに入れたりして食べます。食物繊維が豊富なのか、お腹の調子も良くなります。日本にないエクアドルの食材で何が好きか聞かれると、だいたいこのyucaが好きって答えています。

あとエクアドル料理に欠かせないのはなんといってもこの「salsa de ají」。

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salsaはソース、ajíは唐辛子という意味。にんにくと唐辛子、赤パプリカをペースト状にして、紫たまねぎ、レモン汁と水、香草を混ぜて各家庭で作ります。スープにも、その他のおかずやごはんにもお好みで添えて食べる。はじめは慣れなかったけど、スッキリとした味になってさっぱり食べられるので、今ではこのソース好きです。

あとは「cui」。テンジクネズミ。塩味で焼いて食べます。

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どちらかというとパーティー料理のようなかんじで、日々のごはんでは食べません。写真は語学学校で先生が作ってきてくれたときの。私は嫌いではないけど、少し独特の臭みがあるので、たぶん苦手な人も多い。ステイ先の家族でも好んで食べない人もいる位ですが、エクアドルの伝統的な食べ物でアンデスインディヘナ料理のひとつのようです。シエラの山沿いの地域だと道路脇のお店で丸焼きにしたのが売っていて、クエンカではよく見ました。モテと言われるエクアドルのとうもろこしを添えて食べます。

f:id:reikomiyahara:20170927011149j:plain先週、ステイ先ではじめてからあげとポテトサラダを作りました。任地には片栗粉がないので上で紹介したyucaの粉から作られた片栗粉風のもので代用してみたら、それっぽくなって、久しぶりに日本の味を少し感じられた。

ここ数日はあまり天気が良くなくて、熱帯気候のここでも少し涼しい日が続いています。